関口宏のオォ!笑歌

『関口宏のオォ!笑歌』（せきぐちひろしのオォ しょうか）は、昭和51年（1976年）4月3日に放送を開始し、昭和52年（1977年）9月24日までのおよそ1年半にわたり、当時の日本教育テレビ（NETテレビ）およびその後継であるテレビ朝日系列で放送された、歌謡曲を中心としたバラエティ番組でした。この番組は毎週土曜日の午後1時から午後1時55分までの時間帯に放送されていましたが、この時間帯はプロ野球のデーゲーム中継などが編成されることが多く、スポーツ中継や突発的な特別番組が組まれた際には放送が休止となることも珍しくありませんでした。

番組が企画された背景には、土曜日の昼下がりという時間帯に、家庭にいることの多い主婦層を主なターゲットとした娯楽を提供したいという意図がありました。その狙い通り、番組は歌と笑いを組み合わせた、明るく親しみやすい内容を目指しました。番組の中心には、当時テレビで多方面に活躍していたタレントの関口宏と、歌手として人気を博していた西川峰子（後に仁支川峰子として活動）の二人が司会として立ちました。彼らの息の合ったやり取りと、ゲスト歌手やレギュラー出演者を交えたアットホームな雰囲気作りが、番組の大きな魅力となっていました。

主要な出演者としては、司会の関口宏と西川峰子の他、レギュラーメンバーとして、個性的な歌声で知られる歌手の千昌夫、そして独特の漫才スタイルで人気を博していた漫才コンビの青空球児・好児が出演していました。彼らは番組内の様々なコーナーで活躍し、歌のパフォーマンスやコメディタッチのやり取りで、番組に豊かな彩りを与えていました。

番組の制作は、当時のNETテレビ、そして社名変更後のテレビ朝日が主体となり、企画会社のNP企画との共同で行われました。多くの専門スタッフが制作に携わっており、その名前がクレジットされています。番組の構成は伊藤裕弘氏と福井貞則氏が担当し、番組全体の流れやコーナーの企画を練り上げました。音楽は永作幸男氏が手掛け、歌謡番組としての側面を支えました。技術部門では、鈴木孝氏が技術全体を統括し、前盛善加氏がカラー調整、上野英男氏が映像、高橋和憲氏が照明、中村忠靖氏が音声と、それぞれの専門分野で番組の質を高める役割を担いました。美術面は佐藤隆男氏が担当し、セットや小道具などを手配、音響は今井進氏が担当しました。これらの技術的な側面を支えた技術協力会社として、千代田ビデオの名前が挙げられます。プロデューサーとしては、局側から下川靖夫氏が、NP企画側から緒方陽一氏がそれぞれ担当し、番組全体の統括と進行管理を行いました。そして、番組全体の演出は古谷寛氏が手掛け、番組の方向性を定め、各要素をまとめていました。

番組は制作局であるNETテレビ/テレビ朝日を中心に放送されましたが、系列外の放送局である三重テレビでも放送されていました。これは、当時の地方局が東京キー局の番組を独自の判断で放送していた編成状況の一例と言えます。

司会の関口宏は、この『関口宏のオォ!笑歌』以外にも、テレビ朝日で複数の音楽や歌謡番組に関わっています。例えば、本番組の終了後、同局で放送された歌謡バラエティ番組『歌謡ドッキリ大放送』でも引き続き司会を務めており、このジャンルにおける彼の存在感を示しました。また、現在も続く長寿音楽番組『ミュージックステーション』も、放送開始当初は関口宏が司会を務めていました。これらの事実からも、1970年代から80年代にかけてのテレビ朝日における歌謡・音楽番組と、関口宏という司会者の関わりが深かったことがうかがえます。

『関口宏のオォ!笑歌』は、約1年半という比較的短い放送期間でしたが、当時の土曜昼という時間帯の視聴者層に向けた、歌と笑いを融合させた娯楽番組として役割を果たしました。人気司会者とレギュラー陣、そして多くの制作スタッフによって支えられ、1970年代半ばのテレビ朝日におけるバラエティ番組の一つとして記憶される番組と言えるでしょう。この番組が、その後の同局における歌謡・音楽バラエティ番組の系譜にどのように位置づけられるかという視点も、テレビ史を振り返る上で興味深い点です。

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