関外余男

関外余男（せき とよお）

関外余男は、1902年（明治35年）1月3日に生まれ、2000年（平成12年）11月8日に没した日本の内務官僚です。旧姓は乾で、石川県金沢市で乾芳久の五男として誕生しました。その後、関薫の養子となり、関姓を名乗るようになりました。

学歴と官僚としてのキャリア

関外余男は、第四高等学校を首席で卒業という優秀な成績を収めました。1924年11月には文官高等試験行政科試験に合格し、その才能を発揮します。翌1925年には東京帝国大学法学部を卒業し、内務省に入省しました。最初の任地は千葉県属で、ここから官僚としてのキャリアをスタートさせました。

その後、愛媛県経済部長、福井県書記官・警察部長、対満事務局行政課長、徳島県書記官・総務部長、内務省監査官など、数々の要職を歴任しました。これらの経験を通して、地方行政の実務能力と幅広い知識を培いました。1942年8月には、陸軍司政長官に発令され、第25軍軍政監部付（スマトラ島）として、ジャンビー州長官を1944年8月末まで務めました。戦時下における行政運営の重責を担い、その手腕を発揮しました。

埼玉県知事としての活動

終戦直後の1945年8月、関外余男は埼玉県知事に就任しました。戦後の混乱期において、地方行政の長として県政を担うことになりました。しかし、世上進退を論議される状況を考慮し、「地方長官の重責を遂行することも適当とは思われない」との考えから、1946年1月、自ら辞表を提出して知事を退官しました。公職追放の対象にはなりませんでしたが、自ら責任を取る形で県知事を辞任したことは、彼の誠実な人となりを示していると言えるでしょう。

戦後の活動と著作

埼玉県知事を退任後、関外余男は神戸市助役、神戸市人事委員長、神戸工業監査役などの要職を歴任し、地方行政に貢献しました。また、社会福祉分野にも関心を持ち、兵庫県社会福祉協議会を通じて、社会福祉に関する著作を多数発表しました。

著作には、『地方官二十年』(1967年)、『社会福祉の軌跡 : 私の中の歴史』(1982年)、『老年随想』(1982年)、『続 老年随想 : 八十過ぎ』(1986年)、『超老年随想』(1989年)、『続 超老年随想』(1992年)などがあります。これらの著作を通して、自身の経験や社会に対する考察を広く社会に伝えました。

まとめ

関外余男は、内務官僚として地方行政と戦時行政の両面で重要な役割を担い、戦後は社会福祉分野にも貢献しました。その生涯は、激動の時代を生き抜いた官僚の姿を映し出しており、多くの人々に影響を与えた人物と言えるでしょう。

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