関山利一

関山利一：初代実力制本因坊

関山利一（せきやま りいち）は、明治42年（1909年）に兵庫県尼崎市で生まれ、昭和45年（1970年）に急性肺炎で亡くなった囲碁棋士です。鈴木為次郎名誉九段門下で、日本棋院、のちにに関西棋院に所属し、実力制第1期本因坊となりました。

生涯

8歳で父から囲碁の手ほどきを受け、1922年には恵下田栄芳に師事。1924年に上京し、鈴木為次郎の門下生となります。1926年に初段となり、順調に昇段を重ねます。1932年には、呉清源の18連勝をストップしたことで注目を集めました。1934年と1938年には大手合で春秋連続優勝を果たし、実力を示しました。

1939年に開始された第1期本因坊戦では、並いる強豪を破り最終トーナメントに進出。加藤信との本因坊決定六番勝負を3勝3敗で終えましたが、予選1位の成績により、初代実力制本因坊の座を獲得し、本因坊利仙と号しました。

しかし、1943年の第2期本因坊戦で橋本宇太郎の挑戦を受けた際、脊髄疾患による神経性胃病により体調は万全ではありませんでした。第2局の対局中に倒れ棄権。タイトルを橋本に譲ることとなりました。

戦後は大阪に移り、関西棋院に所属。1958年には九段に推挙されました。門下には、梶原武雄、山崎祐男、小山靖男など、多くの棋士を育てました。

棋風と評価

関山の棋風は、師である鈴木為次郎に「クセがない」と評されたように、正統派でありました。詰碁の創作にも長けており、多くの作品を残しています。

家族

長女は橋本昌二九段の夫人、次女は倉橋正蔵九段の夫人という囲碁一家です。また、長男の利夫も九段であり、その子供である関山利道九段と倉橋正行九段は孫にあたります。

著書

関山は多くの著書も残しており、囲碁の普及と発展に貢献しました。

『死活要点 囲碁上達の捷徑』
『後手の先手』
『囲碁金言の表裏』
『置碁必修-手技定石』
『しぼりの種々相』
『関山利一・半田道玄（現代囲碁大系13）』
* 『傑作詰碁辞典』

利仙賞

1973年に創設された関西棋院賞では、敢闘賞が「利仙賞」と名付けられ、その功績が讃えられています。

関山利一は、初代実力制本因坊として、その名を囲碁史に刻んでいます。

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