関谷保夫

関谷保夫（せきや やすお）は、1947年12月14日に生まれた日本の元地方公務員です。東京都において長きにわたり公職を務め、特に東京都副知事や東京都人事委員長として知られています。都庁でのキャリアを通じて、様々な部署で要職を歴任し、退職後も都関連の主要企業・団体で代表を務めるなど、多岐にわたる分野で貢献しました。

キャリアの開始: 関谷氏は、東京都立青山高等学校、そして横浜国立大学経営学部で学びました。大学卒業後、1972年に東京都庁に入庁し、地方公務員としての第一歩を踏み出しました。

都庁内部での昇進: 都庁に入庁後、関谷氏は幅広い部署で経験を積みました。キャリア初期には、江戸川高等職業技術専門校の庶務課長（1986年4月）、港湾局副主幹として東京港埠頭公社への派遣（1987年6月）、教育庁副主幹（1989年8月）などを務めました。さらに、都庁の財政運営に関わる財務局主計部予算第三課長（1991年4月）や、人事部門の総務局人事部調査課長（統括課長、1993年7月）といった重要なポストを歴任しました。その後も、都立神経病院事務局長（1995年6月）、港湾局参事（団体調整担当、1997年4月）、教育庁都立高校改革推進担当部長（1998年7月）、政策報道室計画部長（1999年6月）などを務め、都政における多様な課題に対応する経験を積みました。

幹部職へ: 2000年代に入ると、関谷氏は都庁のより高位な役職に就きました。2001年7月には住宅局総務部長、2002年7月には住宅局理事として東京都住宅供給公社へ派遣されました。そして2004年7月には、都政の中枢を担う都市整備局の理事を務めた後、同月に東京都産業労働局長に就任し、都の産業振興や労働政策を統括しました。

東京都副知事としての職務: 2005年7月、関谷氏は東京都の副知事に任命されました。当時の知事である石原慎太郎氏のもとで、都政運営の要として重要な役割を果たしました。副知事としての任期は2007年6月まで続きました。

都庁退職後の活動: 副知事を退任した後も、関谷氏は都政に関連する様々な分野で活動を続けました。2007年7月には、東京都人事委員会の委員に就任し、都の職員の採用・人事管理などに関与しました。同時期に、臨海副都心の開発などを担う東京臨海ホールディングス及び東京テレポートセンターの代表取締役社長にも就任し、都の都市開発プロジェクトに深く関わりました。

公共交通分野での貢献: 2008年4月からは、首都圏の主要な公共交通機関である東京地下鉄株式会社（東京メトロ）の代表取締役副社長・社長補佐に就任しました。ここでは、総務、広報、財務、管財、情報システムといった幅広い管理部門を統括するとともに、日比谷線列車脱線衝突事故被害者ご相談室の担当を務めるなど、企業の運営と社会的な責任に関わる職務を担いました。

人事委員長としての役割: 2009年11月、関谷氏は東京都人事委員会の委員長に昇任しました。人事委員長として、都の職員の労働条件や権利に関する公正な運用に責任を持ち、その職を2015年7月まで務めました。

その後の役職: 人事委員長退任後も、関谷氏は都関連の要職に就きました。2011年9月には、臨海地域と都心を結ぶ重要な路線を運営する東京臨海高速鉄道株式会社の代表取締役社長に就任。さらに、2015年6月からは、物流拠点として重要な役割を果たす日本自動車ターミナル株式会社の代表取締役社長を務めるなど、インフラ関連分野でも手腕を発揮しました。

栄誉: 長年にわたる東京都政及び関連分野での多大な功績が認められ、2019年には瑞宝中綬章を受章しました。これは、国家または公共に対し功労のある人物に授与される栄典です。

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