阪急上筒井線

上筒井線について

上筒井線（かみつついせん）は、阪神急行電鉄が運営した鉄道路線で、かつて神戸の交通に寄与していました。この路線は、1920年に開通した神戸本線の一部として誕生し、1936年には三宮への延伸とともに旧駅の改称を経て上筒井線となりました。しかし、乗客数の減少により1940年に廃止されることとなりました。

歴史的背景

上筒井線の起源は1920年まで遡ります。それまで多くの人が利用した神戸本線が開通し、神戸と梅田を結ぶ重要な路線と位置づけられました。しかし1936年、新たに三宮へ延伸されることとなり、分岐点として西灘駅が設けられ、旧神戸駅は上筒井駅に改称されました。

この改編により、上筒井線は西灘駅から上筒井駅までの0.9kmを単行で行き来する支線として存在することになったのです。特に、この時設置された西灘駅は、次第に重要な接続地点となっていきました。

路線の特徴

上筒井線は、全線にわたって単線で運行され、電化も完了していました。直流600Vで供給され、複線区間は設けられなかったため、運行はやや制約を受けました。また、上筒井駅も当初の2面3線の配線から1面2線に縮小され、車両は主に目黒蒲田電鉄から譲り受けた90形電車の2両が運用されていました。

このような限られた乗客数と設備により、結局上筒井線の運行は1940年に終了しました。運行開始からわずか4年での廃線は、当時の交通事情を表す一例と言えるでしょう。

その後の影響

廃止後、上筒井駅で接続していた神戸市電が西灘駅を経由して原田まで延びることで、交通の利便性が保たれました。この市電は1969年まで運行され、上筒井線の役割を実質的に代替しました。また、西灘駅付近に残された地上線は保線基地として現在も使用されています。

上筒井線の跡地は、1995年の阪神・淡路大震災後の復旧工事に際して一時的に重要な役割を果たしました。このように、短命だった上筒井線もその後の交通に一定の影響を与えていたのです。

結論

上筒井線は、その短命ながらも神戸圏における交通インフラの一部を形成していました。時代の流れとともに変化する交通網の中で、上筒井線の存在は歴史の一コマとして、今もその影響を静かに物語り続けています。

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