上筒井駅

上筒井駅の歴史と概要

上筒井駅（かみつついえき）は、兵庫県神戸市葺合区坂口通にかつて存在した阪急電鉄神戸本線の支線、上筒井線上の鉄道駅でした。これは神戸本線が三宮方面に延びるまでの間、神戸本線のターミナル駅として機能し、当初は神戸駅という名称を使用していました。

駅の設立経緯

阪神急行電鉄が神戸本線の建設を計画する際、1919年に鉄道省と地下線での乗り入れを認可されましたが、会社側は高架線建設を希望しました。このため、長らく神戸市との間で計画に関する対立が続きました。結局、当面の措置として上筒井に暫定的なターミナルを設置し、1920年に梅田駅からの運行を開始しました。当駅は現在の中央区坂口通2丁目に位置していました。

駅は、2面3線を備えた頭端式ホームを有しておりましたが、プラットフォームの長さは限られており、特急用の900形2両編成がようやく停車できる程度でした。

三宮駅への延伸

後の交渉によって、省線三ノ宮駅へ高架線での延伸が認められ、1936年には新たな神戸駅までの接続が実現しました。この時点で、上筒井駅は旧神戸駅に改称されることとなり、旧線と新線の分岐点には西灘駅（現在の王子公園駅）が設けられました。これにより、西灘駅から上筒井駅までの間で折り返し運転が行われました。

利用状況と廃止

しかしながら、上筒井駅は盲腸線の終点であったため、利用客は伸び悩みました。この状況は1940年に廃駅が決定され、同年5月20日に正式に運行を停止しました。廃止の数年前、西灘駅と上筒井駅間は単線に縮小され、駅の配線も1面2線へと簡素化されていました。

上筒井支線の廃止後

上筒井駅が廃止された後、1941年には同区間にほぼ並行する形で、神戸市電石屋川線が開業しました。この路線は、後に原田電停を設け、さらに石屋川まで延伸されたものの、1969年に廃止されています。

駅の歴史

上筒井駅の歴史における重要な日付は以下の通りです：

• - 1920年7月16日：神戸駅として開業。
• - 1936年4月1日：上筒井駅に改称。
• - 1940年5月20日：廃止。

上筒井駅は短期間ではありましたが、神戸市の鉄道の発展において重要な役割を果たした駅であり、当時の鉄道計画や建設状況を反映した一つの事例と言えるでしょう。交通手段としての発展と、都市計画における対立等が複雑に絡み合った歴史を持つ駅でした。

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