阪急37形電車

阪急37形電車について

阪急37形電車は、阪急電鉄の前身である阪神急行電鉄時代に1921年に製造された小型木造電車です。この電車は主に支線向けに設計され、オリジナルの3両、すなわち37号、38号、39号が梅鉢鉄工所によって製造されました。

概要

1920年7月16日の伊丹線開業に際しては、成田電気軌道から譲り受けた47形電車が一時的に使用されましたが、1年も経たないうちに37形が新たな電車として投入されることになりました。この37形のスタイルは、51形電車を小型化したものであり、北大阪電気鉄道の1形（後の新京阪P-1形）に似た設計を持っています。また、当時の他の鉄道でも似たデザインの電車が見られました。

車体の特徴

37形電車の車体は木造であり、全長約11.3メートル、定員は65名です。側面の窓配置はD(1)8(1)Dという形になっており、緩やかな曲面を描く前面には3枚の窓があります。屋根は明り取り窓のついた二重屋根で、宙に浮くような外観を見せています。車内はロングシート配置で、運転台との仕切りはHポール型の形状が採用されていました。

主要機器

この電車にはゼネラル・エレクトリック社製の主電動機GE-203Pが2基搭載され、直接制御方式の制御器GE-K-39-Eによって操作されます。弱め界磁制御が可能なため、高速運転にも対応しています。台車はJ.G.Brill社製のBrill 76-Eで、集電装置としてはトロリーポールが使用されています。

運用の歴史

37形電車は最初に伊丹線に投入され、47形を置き換えた後、1924年に開業した甲陽線でも運用されるようになりました。その後、時折今津線でも運用され、1926年には集電装置を更新し、パンタグラフに換装しました。1927年には新たに90形が就役し、運用の変化がありましたが、さまざまな路線で活躍していきました。

1928年には暖房装置が取り付けられ、運用実績は豊富です。特に大阪市内の併用軌道区間では北野線向けにも運用され、34形とともに多客期に能勢電気軌道へも貸し出されました。甲陽線の運用からは、戦後も続けられていましたが、1946年には連合軍専用車として箕面線で使用されることになりました。

その後の運用では、1948年に能勢電気軌道に譲渡され、番号変更が行われました。最終的には37形は能勢電気軌道の70形となり、1949年以降は鋼体化改造が施され、形態が大きく変わりました。これにより、37形電車は歴史の中でさまざまな役割を果たし、興味深い運命を辿りました。

まとめ

阪急37形電車は、阪急電鉄の歴史の中で重要な位置を占めており、時代や運用の変化によってその姿を変えながらも、多くの人々に利用されました。その小型でありながら機能的なデザインと、高速運転が可能な技術革新の両面が評価され、支線向け電車の中で特筆すべき存在だったと言えるでしょう。

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