北大阪電気鉄道

北大阪電気鉄道の歴史

北大阪電気鉄道は、阪急電鉄の運営の下にある鉄道事業者であり、主に十三駅から淡路駅、さらには千里線の淡路駅から千里山駅までの路線を持ちます。この鉄道は、住宅地開発を視野に入れて、千里丘陵での宅地や霊園の整備を行うために事業が進められました。その背景には、北大阪土地という不動産開発会社の存在があります。この会社は、以前にも千里へ向かう鉄道敷設計画を立てましたが、いずれも却下されていました。

起工と開業の流れ

1916年9月1日に、北大阪電気鉄道の鉄道免許が下付されると、ようやく鉄道路線の建設が具体化し始めました。しかし、予算の問題から工事が進まない状況が続き、何度も施行認可の申請延長が必要とされました。発起人の中には伊藤英一が名を連ね、最終的には、東海道本線の廃線跡の払い下げを受ける形で事業が進みました。

1918年11月24日には、ついに北大阪電気鉄道の株式会社が設立され、1920年2月13日から本格的な工事が始まりました。そして、1921年4月1日に十三駅から豊津駅の間が開業し、同年10月26日には豊津駅から千里山駅の区間も開通しました。

この開業以前に、1920年には千里丘陵に遊園地「千里山花壇」（後の千里山遊園）が開設されており、地域の活性化にも寄与していました。しかし、開業後には利用者から皮肉を込めて「墓地電車」と呼ばれることもありました。というのも、霊園の開発に携わった結果、利用客との間に特異なイメージが生まれてしまったからです。

京阪電気鉄道との関係

北大阪電気鉄道が設立された当初、京阪電気鉄道は独自の防衛策として第二京阪線の敷設を目指していました。北大阪電気鉄道が持つ許可を巧みに利用するため、京阪はその路線に目をつけ、最終的には鉄道事業を新京阪鉄道に譲渡しました。1923年4月1日には、京阪側が北大阪電気鉄道の株式の過半数を握り、運営権を掌握しました。この結果、北大阪電気鉄道は京阪土地と改称され、1928年には京阪電気鉄道に合併されることとなります。

新京阪鉄道の変遷

新京阪鉄道は、1925年に天神橋駅から淡路駅間を、1928年には淡路駅から高槻町駅、さらに京都西院駅までの路線を開業し、第二京阪線が完成しました。しかし、昭和恐慌によって困難な状況に陥ると、京阪電気鉄道は再編を進め、新京阪鉄道を買収しました。1930年9月15日の買収により、十三駅から京都西院駅の間が新京阪本線とされ、その他の区間はそれぞれ十三線、千里山線と名付けられました。

その後の発展

1943年に阪神急行電鉄との合併が行われ、京阪神急行電鉄が誕生します。戦後、1959年には梅田駅から十三駅までの複線化が完了し、京都本線への直通が本格化することとなりました。1967年には千里山線が千里線に改称され、現在に至ります。このように、北大阪電気鉄道は地域の発展と共に成長し、阪急電鉄の大きな一部へと進化を遂げました。

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