阪本一郎

阪本一郎について

阪本一郎（さかもと いちろう）は、1904年7月1日に生まれ、1987年8月2日に他界した日本の教育心理学者です。彼は東京第一師範学校や東京学芸大学、日本女子大学、立正女子大学短期大学部、文教大学女子短期大学部で教授として勤め、後に教育界の重鎮となりました。また、彼は1976年に国際読書功労賞を受賞し、1982年には勲三等瑞宝章を授与されています。

学歴と早期キャリア

阪本は東京文理科大学教育学部心理学科を卒業後、同大学院で博士課程を修了しました。1961年には「語彙の教育心理学的研究」というテーマで東京教育大学から文学博士の学位を取得。彼の教育者としてのキャリアは、東京府青山師範学校の教諭として始まり、その後、東京第一師範学校の教授、教育研究所の主事、東京学芸大学の教授、付属図書館長として指導的役割を果たしました。1970年に定年退職した後も、日本女子大学、立正女子大学短大、文教大学女子短大部で教授として教鞭を取り続けました。

専門分野と著作

阪本は特に児童心理学や教育心理学、児童文化を専門とし、読書指導にも注力しました。彼の著作には『読書指導 原理と方法』や『児童の生活と教育』など、多岐にわたるテーマが取り上げられています。また、彼は「のらくろ」や「サザエさん」などに対しては高い評価を与え、一方で「ハレンチ学園」などのマンガを有害と見なしました。著書には、1940年の『文部省小学新英語読本教授書』や1959年の『新読書論』など、多くの影響力のある作品が含まれています。

学会と受賞歴

日本読書学会では会長や名誉会長を務め、1976年には国際読書功労賞を受賞しました。彼の業績は、日本の教育現場における読書支援や心理的アプローチの発展に大きく寄与しています。特に、彼の研究成果は、子どもたちがどのようにして読書を学び、成長していくかを理解するための基盤として、後世の教育者や研究者に受け継がれています。

最後に

阪本一郎は、その生涯にわたって教育と読書に対する情熱を注ぎ続け、後進の育成に尽力した偉大な教育者でした。その業績は今なお教育の現場で息づいており、多くの人々に影響を与えています。彼が築いた基盤の上に立ち、新たな教育のあり方を模索する人々は、阪本の思想や著作から多くの学びを得ていることでしょう。

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