阪本孝男

阪本孝男の軌跡

阪本孝男（さかもと たかお）は、1958年12月19日生まれ、群馬県出身の元陸上競技選手で、現在は陸上競技指導者そして解説者として活躍しています。彼は1970年代から1980年代にかけて走高跳の選手として知られ、日本記録を保持していました。

幼少期と学生時代

阪本は群馬県立富岡高等学校を卒業後、筑波大学に進学しました。大学生活の中で彼は着実に実力を伸ばし、1977年10月には日本学生陸上競技対校選手権大会で2メートル21の記録を出し、日本タイ記録を樹立しました。この記録は彼の選手としてのキャリアの始まりを告げるものとなりました。

1978年には、日本陸上競技選手権大会での初優勝を果たし、その年のアジア競技大会にも出場し優勝を収めました。彼の選手としての才能はこの時点で多くの人々に認識されるようになりました。

転機と記録

1979年4月、静岡リレーカーニバルで2メートル25の日本新記録を樹立し、その名をさらに高めました。1980年にはモスクワオリンピックの代表に選出されましたが、日本の不参加という運命により、オリンピックの舞台には立つことができませんでした。

その後、筑波大学大学院に進学し、1981年と1982年の日本陸上競技選手権大会で連覇を達成。1982年には自身の記録を更新し、2メートル27の新記録を樹立しました。この記録は当時の日本陸上界でも特筆すべきものでした。

オリンピックと最盛期

1983年と1984年にも日本陸上競技選手権大会で連覇を重ね、4連覇を達成しました。1984年にはスポーツニッポン国際陸上での2メートル30の新記録により、彼は日本人選手として初めて2メートル30台のジャンプを達成した選手となります。同年のロサンゼルスオリンピックにも出場しましたが、予選で2メートル21を記録し、決勝進出は果たせませんでした。それでも、同年の八カ国対抗陸上では再び自己ベストとなる2メートル30を跳び、自身の競技人生の最後の輝きを見せました。

引退後の活動

引退後、阪本は陸上競技指導者としての道を歩み始めました。至学館大学陸上競技部部長や日本陸上競技連盟強化委員として活動し、女子走高跳の日本記録保持者である今井美希や青山幸のコーチとしても知られています。

また、解説者としても活躍し、2007年の世界陸上選手権ではBS-iのメイン解説者を務めました。2019年3月には至学館大学を退任しましたが、その後も陸上競技界への貢献を続けていることでしょう。

著作

阪本は、『走り高跳び』〈最新陸上競技入門シリーズ〉を監修し、ベースボールマガジン社から1994年に出版しています。彼の経験と知識が詰まったこの著作は、陸上競技に興味を持つ人々にとって貴重な資料となっています。

まとめ

阪本孝男のキャリアは、彼の努力と才能が結実したものです。選手時代の華やかな実績の後、指導者としての道を歩む中で、後進の育成にも力を入れています。彼の経験に裏打ちされたその指導は、多くの若い選手たちに影響を与えていることでしょう。

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