阮小五

阮小五の物語

阮小五（げんしょうご、Ruǎn Xiǎowǔ）は、中国古典文学の名作『水滸伝』に登場するキャラクターであり、梁山泊の第29位の好漢として知られています。彼は天罪星の生まれ変わりで、愛称は「短命二郎」です。彼には兄の阮小二、弟の阮小七がおり、三兄弟は漁師として生計を立てていました。

外見と性格

阮小五は20代で、鋭い目つきを持ち、胸に豹の刺青を入れています。ただし、彼の刺青は中国画と日本の歌川国芳作品で描かれる姿とは異なることに注意が必要です。短命というあだ名は、彼自身の命が短いわけではなく、彼と関わった人々の命が短くなることから付けられたものです。そのため、彼は兄弟の中でも特に不良っぽい印象を与え、賭場からの朝帰りや、母親のかんざしを質に入れてしまうなどの行動からもそれが伺えます。

梁山泊との出会い

生まれ故郷の石碣村では、税金の厳しい取立てや梁山泊の強盗によって、彼の家族は苦しい生活を強いられていました。彼はその鬱憤を晴らすために博打や喧嘩に明け暮れる日々を送りながら、「いつか大きなことを成し遂げよう」と考えていました。ある日、賭場から帰ると、名高い知恵者・呉用が訪ねてきました。

三兄弟は、近状の厳しさを呉用に吐露しました。小五は特に「腕はあるが、それを活かす場がない」と嘆きます。実は呉用は、梁山の庄屋・晁蓋と共に、大規模な賄賂を奪う計画を立てており、彼らに協力を依頼するために訪れたのでした。呉用は彼らに「晁蓋から金を奪おう」と言いましたが、小五は即座に「立派な人物から金を奪うことはできない」と拒否しました。この拒否を受け、呉用は本当の目的を明かし、彼が役人の横暴に対抗しようとしていることを説明しました。この言葉に心を動かされた小五たちは、喜んで協力することに決めたのです。

活躍と戦い

その後、呉用の計画は見事に成功し、晁蓋たちは官憲を逃れ梁山泊に到着。彼らはそこでクーデターを起こし、阮小五も新たな首領として名を連ねました。兄弟たちは水上戦において特に活躍し、州の討伐隊を見事に撃退しました。しかし、彼のキャリアの中で、彼は数々の失敗も経験します。

特に関勝との戦いで独断で出陣し、罠にかかってしまったりと、兄弟に危害を及ぼす出来事も多々ありました。百八星が集結した後も水軍頭領としての役割を果たし続けていますが、朝廷への帰順には反対の姿勢を崩しませんでした。それにも関わらず、やがて梁山泊は朝廷に従わざるを得なくなり、小五もその決定を受け入れました。

最期

方臘討伐の最終決戦においては、兄小二の戦死にもかかわらず勇敢に戦い続けました。彼は兵士たちと共に敵本拠への内側からの攻撃を成功させ、勝利に大きく貢献しましたが、激戦の中で敵将・廖敏中によって命を落としてしまいました。彼の生涯は、困難な状況でも仲間を大切にし、正義を求め続けた姿勢を示しています。

彼の物語は、『水滸伝』の中でも多くの読者に愛され続けており、彼の活躍は今もなお語り継がれています。

もう一度検索