防具付き空手

防具付き空手について

防具付き空手は、空手の組手を防具を装着して行う競技形式の一つであり、直接打撃を伴います。このスタイルは、広義のフルコンタクト空手に位置づけられ、形稽古を重視する伝統派空手から独自に発展してきました。特に、錬武会や錬心舘といった団体が、長年にわたりルールや防具を改良することで、現在の防具付き空手を確立しました。

歴史的背景

防具付き空手の起源は1920年代に遡ります。船越義珍が沖縄から本土に空手を伝えたことで、日本中で空手に対する興味が高まり、約束組手の創作や試合が模索されるようになりました。1922年には、船越が体育博覧会で空手の演武を行い、これがきっかけで本土での空手普及が進みました。1930年代には東京帝国大学において、防具付き空手が独自に発案され、試合が行われるようになりました。しかし、船越は組手に対して否定的な姿勢を示し、彼の弟子たちとの対立が生じました。

戦後、韓武舘や錬心舘といった団体が防具付き空手を競技化し、1954年には全国空手道選手権大会が開催されるなど、公式な競技としての地位を築きました。これにより、全国規模で防具付き空手が普及し、多くの団体が設立されることに繋がりました。

主要な流派と団体

防具付き空手には多くの流派と団体が存在します。全日本[[空手道連盟錬武会]]はその一つで、戦後に防具付き空手の普及を目指して設立されました。この団体は、東京都に本部を置き、毎年全国大会を開催しています。

また、全日本硬式空手道連盟は1981年に硬式空手として分かれた団体で、現在も影響力を持っています。この団体は複数の競技ルールを持ち、選手は防具を用いて連続技を加算する加点方式を採用しています。

さらに、日本武道空手玄和会や全日本少林寺流空手道連盟錬心舘、全国防具空手道連盟などもあり、それぞれ異なるルールやスタイルを展開しています。

防具の進化

防具付き空手において重要なのは、使用される防具の安全性です。初期のカラテクターから、現在ではストロングマンやスーパーセーフといった新しいモデルが導入されています。これにより、選手たちはより安全に競技を行うことができるようになりました。

現在の展望

近年では、様々な団体が協力し、交流大会や選手権を開催する動きが見られます。また、防具付き空手のルールには多様性が生まれ、異なるスタイルを持つ選手たちが一堂に会する機会も増加しています。

防具付き空手の競技形式はその発展を続けており、今後も新たなルールや形式が提案されることが期待されています。現在の防具付き空手界は、競技の安全性を高めつつ、技術の向上とともに進化していくことでしょう。

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