伝統派空手

伝統派空手の概要

伝統派空手（でんとうはからて）は、空手道において古くから伝わる技術を基にした流派や団体を指します。この言葉は特定の流派を示すものではなく、フルコンタクト空手との対比で使われることが一般的です。狭い意味では寸止め空手を指しますが、広義には形や型の伝承を重視し、それを学び、研究、応用する流派を含みます。

このため、寸止めだけでなく、伝統的な技術を重視する団体も含まれ、例えば防具を用いる空手団体（錬武会、錬心舘、千唐流など）もこのカテゴリーに入ります。また、日本空手協会などが採用する「当て止め」と呼ばれるルールを基にした団体や流派も伝統派空手にカテゴライズされます。日本空手道連盟（全空連）に加盟している流派や団体は、しばしば伝統派として認識されています。

主な流派・会派

伝統派空手の中でも特に知られている流派には四大流派があります。

• - 松濤館流
• - 剛柔流
• - 糸東流
• - 和道流

また、全日本空手道連盟に加盟している子団体もあり、以下のような団体が存在します。

• - 日本空手協会（松濤館流の会派団体の一つ）
• - 全日本空手道松涛館（全空連主導で組織された松濤館流の会派）
• - 全日本空手道連盟剛柔会（剛柔流の会派団体）
• - 全日本空手道連盟糸東会（糸東流の会派団体）
• - 全日本空手道連盟和道会（和道流の会派団体）
• - 全日本空手道連盟錬武会（防具付き空手に賛同した団体）
• - 日本空手道連合会（糸洲会や泊親会などの団体）

沖縄には、伝統的な流派として剛柔流、小林流、上地流が存在し、併せて日本古武道沖縄唐手混成派生流派（空真流や神道自然流）もあります。さらに、諸流派としては錬武会や糸洲流、少林寺流、泊親会、清心流、本部流などが挙げられます。

伝統派空手の特徴

伝統派空手には以下のような特徴があります。

• - 礼節の重視：礼儀や礼節が空手の実践において重要視されています。
• - 稽古スタイル：フルコンタクト空手に比べて基本稽古や型の稽古に多くの時間が割かれます。
• - 鍛錬方法：古来からの鍛錬方法を使用することが多く、巻き藁や鉄下駄、三戦瓶などの用具が使われることもあります。ただし、これらは必ず使用されるわけではなく、道場や個人で独自の鍛錬方法が工夫されています。
• - 大会と技術体系：大会は行われますが、伝統派空手は元々護身のための技術が体系化されているため、各流派で大会が主役であるわけではありません。
• - 段級位制：段級位制を採用し、形や基本動作、組手に対する習熟度に応じて昇級や昇段が行われます。段位については全日本空手道連盟によって正式に認定されているものが多いです。

終わりに

伝統派空手は、単に技術だけでなく、心のあり方や礼儀を重視した武道としての側面も持っています。技術の習得を通じて、心身ともに成長することが期待される流派として、多くの愛好者に支持されています。

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