防府貨物駅

防府貨物駅の概要

防府貨物駅は、かつて山口県防府市大字江泊に存在した、日本貨物鉄道（JR貨物）山陽本線の貨物駅です。この駅は、鉄道貨物輸送の拠点として一定の役割を果たしていましたが、時代の変化とともにその役割を終え、現在はその機能を近隣の施設に引き継いでいます。

1998年（平成10年）に貨物列車の発着が廃止されて以降、2006年（平成18年）からはオフレールステーション（ORS）として稼働していました。駅構内の信号機は使用停止となっていましたが、本線の出発信号機は2009年（平成21年）度まで使用され、採時駅として機能していました。しかし、2010年（平成22年）1月には構内のレールや本線とのポイントの撤去が進められ、同年3月13日のダイヤ改正時には全てのポイントが撤去されました。これにより、場内・出発信号機は閉塞信号機に変更され、運転時刻表からも「防府貨物」の欄が消滅しました。鉄道の駅としては、事実上の廃止状態となりました。

その後、登記上は駅として存続していましたが、2012年（平成24年）度内に貨物駅としての役割を終え、防府貨物オフレールステーションは貨物駅ではないコンテナ集配施設として再編されました。これにより、防府貨物駅は鉄道駅としての歴史に幕を閉じました。

防府貨物駅の歴史

防府貨物駅は、1986年（昭和61年）11月1日に防府駅の高架化に伴い、その貨物取扱業務を分離する形で開業しました。開業当初から、鉄道貨物輸送の重要な拠点として機能していました。

1987年（昭和62年）4月1日には、国鉄分割民営化により、日本貨物鉄道（JR貨物）の駅となりました。その後、貨物輸送の形態が変化し、1998年（平成10年）10月3日に貨物列車の発着が廃止され、自動車代行駅となりました。この時点で、防府貨物駅の鉄道貨物駅としての機能は大きく縮小しました。

2006年（平成18年）4月1日には、防府貨物オフレールステーションの名称を使用開始しました。これは、貨物駅としての機能が縮小する中で、新たな役割を担うための転換でした。2012年（平成24年）度内には、正式に廃止となり、「防府貨物オフレールステーション」の名称のままコンテナ集配施設としての役割を担うことになりました。

2017年（平成29年）10月1日には、防府貨物オフレールステーションから防府貨物新営業所に形態変更されました。これは、貨物輸送の変化に対応するための組織再編の一環でした。

貨物駅時代の駅構造

防府貨物駅は、1面のコンテナホームと1本のコンテナ荷役線を有する駅でした。本線に到着した貨物列車は、一旦防府駅方の引き上げ線に入った後、推進運転でホームへ進入する構造となっていました。この構造は、限られたスペースで効率的な貨物取り扱いを行うためのものでした。

取扱貨物

防府貨物駅で取り扱っていた貨物は、コンテナ貨物であり、12フィートコンテナのみを取り扱っていました。新南陽駅との間には、1日3往復のトラック便が運行されており、鉄道輸送とトラック輸送を組み合わせた貨物輸送が行われていました。

貨物駅時代の隣の駅

貨物駅時代における隣の駅は、以下の通りです。

西日本旅客鉄道（JR西日本）
山陽本線
* 富海駅 - 防府貨物駅 - 防府駅

防府貨物駅は、山陽本線の一部として、近隣の駅との連携を保ちながら、貨物輸送の一翼を担っていました。現在ではその役割を終えましたが、その歴史は地域社会に刻まれています。

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