防弾チョッキ2型

防弾チョッキ2型について

防弾チョッキ2型（ぼうだんチョッキにがた）は、陸上自衛隊と航空自衛隊において使用されている重要な防護装備です。この装備は、戦闘における防弾チョッキの後継として開発され、迷彩服2型と同じ迷彩パターンを採用しています。特筆すべきは、部隊での一括管理が行われ、個々の隊員に貸与されるのではなく、全体で統制されている点です。

開発の背景と改良

この防弾チョッキ2型は、自衛隊のイラク派遣のために急遽設計され、短期間で配備されました。その後、クイックリリース機能を持つ改良版「防弾チョッキ2型(改)」も開発されています。このチョッキの際立った特長は、前後面にセラミックプレートを挿入することで、近距離で発射された小銃弾を阻止できるところです。プレートを挿入した場合、チョッキの総重量は約12kgになりますが、プレートなしの場合は約5kgと軽量化されています。

機能とデザイン

防弾チョッキ2型のデザインには、弾倉収納ポケットはなく、装具取り付け用のウェビングが全体に施されています。このウェビングは他の装具とも接続可能で、さまざまな用途に合わせた装着が可能です。また、肩部分にはアーマーが取り付けられていますが、これは取り外し可能であり、使用する部隊のニーズに応じて柔軟に対応できます。

さらに、背面上部にはドラッグハンドルが付いており、負傷した場合に他の隊員が容易に牽引できるよう配慮されています。生産には東洋紡と東レが関与し、年間約1万着の調達が行われています。

防護能力

具体的な防護性能については公表されていませんが、戦闘防弾チョッキと同様にNIJ規格の「レベルIIIA」に準じる性能を持っているとされています。また、セラミックプレートを挿入することで、NIJ規格の「レベルIII」または「レベルIV」の性能を持つ装具としての役割を果たすことができます。ただし、特定の部位を守るための装備、例えばグローインアーマーや脇腹用セラミックプレートなどは搭載されていません。

海外での活用

この防弾チョッキ2型は、イラクでの人道復興支援活動やハイチPKO、ジブチでの海賊対処行動など、多くの海外派遣において支給されてきました。実際、現場では日章旗のパッチを取り付けて使用されることがあり、その汎用性が評価されています。

その他の特徴

現在、一部の部隊ではクイックリリース機能や階級章用ベルクロが追加された「防弾チョッキ2型(改)」が使用されています。旧型の戦闘防弾チョッキはこの新型に随時更新中です。陸上自衛隊の広報センターでは、防弾チョッキ2型を見学でき、試着も可能です。また、雪国向けの白色覆いや砂漠用の型など、周囲の環境に応じた派生モデルも存在します。

このように、防弾チョッキ2型は自衛隊の現場で必須の装備品であり、その抗弾性や機能性、柔軟性から、極めて重要な役割を果たしています。

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