阿久津町

阿久津町（あくつまち）は、栃木県の中東部に位置し、塩谷郡に属していた町です。現在の高根沢町およびさくら市の一部となっています。

地理

阿久津町は鬼怒川が流れる地域に位置していました。この鬼怒川は、町の農業や生活用水を支える重要な水源でした。

歴史

阿久津町の歴史は、町村制が施行された1889年（明治22年）に始まります。当時の上阿久津村、中阿久津村、宝積寺村、石末村、大谷村が合併し、阿久津村が誕生しました。

1932年（昭和7年）1月8日、村内では小作料の減額交渉を巡り、労農大衆党と大日本生産党が武力衝突するという「阿久津村事件」が発生しました。この事件では3人が死亡、数十人が負傷するという痛ましい事態となりました。

1953年（昭和28年）4月1日、阿久津村は町制を施行し、阿久津町となりました。しかし、その5年後の1958年（昭和33年）4月1日、北高根沢村と新設合併し、高根沢町が発足。これに伴い、阿久津町は廃止されました。

町が廃止された後の1959年（昭和34年）3月31日には、高根沢町のうち旧阿久津町域にあたる上阿久津の一部が氏家町（現在のさくら市）へ編入されています。

交通

阿久津町には、日本国有鉄道（現在の東日本旅客鉄道）の東北本線と烏山線が乗り入れており、宝積寺駅が設置されていました。宝積寺駅は、現在も高根沢町の駅として機能しており、地域住民の足として重要な役割を果たしています。

関連項目

栃木県の廃止市町村一覧
阿久津村事件

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