阿井景子

阿井景子

阿井景子（あい けいこ、1932年1月16日 - ）は、日本の作家であり、歴史小説、特に歴史上の人物の身近な女性に焦点を当てた作品で知られています。本名は浦順子。

経歴

長崎県長崎市で生まれた阿井景子は、佐賀大学教育学部を卒業後、高校教師の職に就きますが、すぐに退職し上京。その後、芸術家・北大路魯山人の口述筆記を担当します。編集者や『女性自身』の記者としてのキャリアを経て結婚しますが、1974年に離婚。記者時代には、作家・松本清張の担当も務めました。

1971年には、本名である浦順子名義で初の著書を出版。1979年、『龍馬の妻』で作家としてデビューを果たします。以降、歴史上の人物の周辺にいた女性たちに光を当てる作品を多く発表しました。特に坂本龍馬に関わる作品が多く、1991年以降は大河ドラマに合わせて作品を執筆することも多くなりました。

作品の特徴

阿井景子の作品は、歴史の表舞台にはあまり登場しない女性たちの視点から、歴史を捉え直す点が特徴です。彼女の描く女性たちは、歴史の大きな流れの中で、それぞれの生き方や感情を持ち、葛藤しながらも懸命に生きています。彼女の作品を読むことで、歴史上の人物たちの人間味あふれる一面や、その時代を生きた女性たちの姿をより深く理解することができます。

主な著書

『奥さまべんり小事典 家庭用品の保存と手入れ』浦順子 池田書店 1971
『龍馬の妻』学芸書林 1979
『信長の叔母』学芸書林 1982
『築山殿無残』平凡社 1983
『龍馬のもう一人の妻』毎日新聞社 1985
『超人 十八か国語に通じた南方熊楠と妻』講談社 1985
『西郷家の女たち』文藝春秋 1987
『会津鶴ケ城 物語・日本の名城』成美堂出版 1987
『明治を彩った妻たち』新人物往来社 1990
『「不如帰」の女たち』文藝春秋 1991
『太平記残照』講談社 1991
『濃姫孤愁』講談社 1992
『華頂の花-日野富子』プレジデント社 1994
『おもかげ 松本清張 北大路魯山人』文藝春秋 1995
『秀吉の野望』講談社 1996
『涙、らんかんたり 武田勝頼の正室』講談社 1999
『真田幸村の妻』光文社文庫 2001
『龍馬の姉・乙女』光文社文庫 2004
『龍馬と八人の女性』戎光祥出版 2005
『高台院おね』光文社文庫 2006
『信玄の正室』光文社文庫 2007
『和宮お側日記』光文社文庫 2008
『鬼県令・三島通庸と妻』新人物往来社 2008
『お菊御料人―景勝の正室（つま）』光文社時代小説文庫 2009
『御台所江』光文社時代小説文庫、2011
『情愛 大山巌夫人伝』光文社時代小説文庫　2012

関連事項

日本の小説家一覧
時代小説・歴史小説作家一覧

もう一度検索