阿井英二郎

阿井英二郎：異色の経歴を持つ元プロ野球選手

阿井英二郎（あい えいじろう、1964年9月29日 - ）は、茨城県稲敷郡美浦村出身の元プロ野球選手（投手）であり、現在は大学教授、野球解説者として活躍しています。

プロ入り前

競走馬調教師の家庭に生まれた阿井は、東農大二高に進学。四番・エースとして1982年の夏の甲子園に出場しましたが、2回戦で敗退しました。

プロ野球選手として

1982年のドラフト会議でヤクルトスワローズから3位指名を受け入団。速球を評価されての指名でしたが、1984年にはイースタン・リーグで10連敗を記録するなど、苦労も経験しました。1985年には中継ぎ投手として一軍デビューを果たし、44試合に登板して3勝を挙げました。翌1986年には9勝を挙げるなど、中継ぎとして活躍しましたが、登板過多の影響で右肩を痛め、徐々に登板数を減らしました。

1990年オフに金銭トレードでロッテオリオンズ（現：千葉ロッテマリーンズ）に移籍。1992年限りで現役を引退しました。ロッテでの一軍公式戦登板は4試合にとどまりました。

高校野球指導者へ

現役引退後は医療機器メーカーに勤務する傍ら、高校野球での故障を減らす目的で教員免許を取得。1997年につくば秀英高等学校の教員に着任し、野球部創設に携わりました。その後、川越東高等学校の教諭、野球部監督を経て、2009年秋には県大会でベスト4に進出し、21世紀枠の候補校として推薦されました。

日本ハムファイターズでのコーチ時代

2012年、北海道日本ハムファイターズの一軍ヘッドコーチに就任。栗山英樹監督を補佐し、選手との面談を通じて目標設定や共有を図るなど、従来のヘッドコーチとは異なる役割を担いました。2013年にはチームは最下位に沈みましたが、2014年以降は2年連続でAクラス入りを果たしました。2015年シーズン終了後、クライマックスシリーズでの敗退を受けて退団しました。

現在

日本ハム退団後は、大学院で心理学や行動科学を研究。現在は札幌国際大学スポーツ人間学部の教授を務める傍ら、北海道テレビの野球解説者、STVラジオの解説者として活動しています。また、硬式野球クラブのシニアアドバイザーも務めるなど、多岐にわたる活動を展開しています。

人物

ユニフォームの背ネーム「AI」は、王貞治（OH）、呂明賜（RO）らと並び、日本プロ野球史上最も短い背ネームとして知られています。

高校野球指導者時代には、選手の体調を第一に配慮し、戦術論などを丁寧に説明することを心がけていたといいます。日本ハムのコーチ時代には、選手とのコミュニケーションを重視し、目標設定や変化の把握に努めるなど、独自のコーチングスタイルを確立しました。

引退後も常に野球への情熱を持ち続け、指導者、研究者、解説者として、野球界に貢献し続けています。

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