阿智神社 (倉敷市)

阿智神社（あちじんじゃ）

阿智神社は、岡山県倉敷市本町、倉敷美観地区の北に位置する鶴形山に鎮座する神社です。倉敷の歴史と文化を伝える重要な場所として、多くの人々に親しまれています。

概要

倉敷市の中心部、美観地区の北にそびえる鶴形山は、かつて「亀島」や「鶴形島」と呼ばれていました。この地に住み着いた阿知使主の一族が作った庭園が、阿智神社の起源とされています。古代、岡山平野は吉備の穴海と呼ばれる海域であり、現在の倉敷市鶴形山周辺は窪屋郡阿智郷として海上交通の要衝でした。そのため、海上交通の守護神である宗像三女神が祀られたと考えられています。

境内には、鶴亀様式と呼ばれる古代庭園が残されています。また、「天津磐境」をはじめとする磐座が多数存在し、「斎館」と呼ばれる建物には陰陽磐座や水琴窟があります。その他、能舞台、芭蕉堂、絵馬殿などの建造物も見られます。

本殿の北側にある「阿智の藤」は、日本一の大きさと古さを誇り、倉敷市の市花として、また岡山県の天然記念物として指定されています。毎年5月3日から5日には、藤まつりが開催され、多くの観光客で賑わいます。

鎮座地の南麓、現在の倉敷美観地区東部にあたる倉敷本町・東町は、阿智神社の門前町として発展しました。さらに港町としても栄え、江戸時代には倉敷代官所が置かれたため陣屋町としても賑わい、多くの商家が軒を連ねました。その結果、多くの裕福な氏子が増え、旧倉敷村の総鎮守として、倉敷市内でも有数の大社へと発展しました。現在も多くの氏子を抱え、倉敷美観地区と共に、多くの観光客や参拝客が訪れています。

祭神

阿智神社の主な祭神は以下の通りです。

宗像三神
相殿神十九柱
応神天皇
伊邪那岐命
伊邪那美命
八意思兼神
上筒之男命
中筒之男命
底筒之男命
天照皇大神
八十柱津日神
神直日神
大直日神
素戔嗚尊
奇稲田姫
神大市比売命
宇迦之御魂神
大己貴命
少彦名命
久那斗神
吉備津彦命

これらの祭神から、商売繁盛、交通安全、美容健康、芸能上達、海上安全などの御神徳があるとされています。

祭事

阿智神社では、年間を通して様々な祭事が執り行われます。

5月3日～5日 - 藤まつり
5月第3土・日曜日 - 春季例大祭
10月第3日曜日・前日の土曜日 - 秋季例大祭

アクセス

JR倉敷駅より徒歩約15分
倉敷美観地区より徒歩すぐ

阿智神社は、倉敷の歴史と文化を感じられる場所として、訪れる人々に安らぎと感動を与え続けています。美観地区を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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