阿波大正浪漫 バルトの庭

阿波大正浪漫 バルトの庭

阿波大正浪漫 バルトの庭は、徳島県鳴門市大麻町桧にあったテーマパークで、2015年5月6日に閉園しました。この施設は、2006年に公開された映画『バルトの楽園』と、その背景となった板東俘虜収容所をテーマにしていました。映画の撮影の際に作られたセットを中心に、実際の収容所に存在した建物も展示され、訪れる人々に当時の歴史を伝えていました。このテーマパークは特定非営利活動法人「ドイツ村BANDOロケ村保存会」により運営されていました。

開設と閉園の経緯

バルトの庭は2005年に映画の撮影を目的に鳴門市板東にロケセットが設立されたことから始まります。映画の撮影後、2006年3月からは「BANDOロケ村〜歓喜の郷」として2年間の限定公開が行われました。この公開には市民ボランティアの協力があり、23万人もの来場者を迎えました。この成功により開放を続けるよう求める声が高まり、2008年4月に地元のNPOが市と運営契約を結び、再び公開がスタートしました。

しかし、地権者との関係や立地問題、さらに建物の安全性が課題となり、2009年2月に再び閉鎖されることになりました。鳴門市は別の場所への移築を提案し、NPOは新しい土地を確保、その際には実際の収容所で使用されていた兵舎（バラッケ）が移築保存されました。2010年4月25日には新たにオープンし、多くの人々に歴史を伝えていました。

残念ながら、2015年には地権者が「地域活性化に一定の役割を果たした」として閉園を申し入れ、約5年の歴史に幕を下ろしました。閉園後の施設の運命は不透明でしたが、2015年12月9日から2016年1月24日までの間に期間限定で再公開されることとなり、再度注目を集めました。

施設の特徴

バルトの庭内では、ボランティアによる無料ガイドサービスが提供され、訪問者はより深く歴史に触れることができました。映画撮影のために復元されたロケセットには、営門や管理棟、売店、衛兵詰所、印刷所、製パン所、洗面所、酒保、兵舎など合計8棟がありました。中でも製パン所のセット内には実際にパンを焼くことができる煉瓦窯が再現され、土日祝にはその場で焼かれたパンが販売されるなど、訪れた人々に楽しみを提供しました。

さらに、実際の兵舎（バラッケ）は大正時代に建設されたもので、その後転用されていたものを見事に移築復元したものです。将校用の兵舎としての歴史的価値もありました。また、2011年9月には野外舞台も完成し、阿波人形浄瑠璃や各種演奏会の開催地として多くの賑わいを見せていました。

アクセスと周辺情報

施設の開場時間は午前9時から午後4時30分までです。公共交通機関を利用する場合、高松自動車道の鳴門西バスストップからの徒歩約10分や、JR板東駅から徒歩10分という便利な立地にありました。

周辺には多くの観光地も点在しており、国登録有形文化財である船本牧舎や、ドイツ人が設計したドイツ村公園、四国八十八箇所第一番霊場の霊山寺などが徒歩圏内にありました。また、大麻比古神社や道の駅第九の里もあり、多くの観光が楽しめるエリアでもありました。

ともに歴史を感じる場所

バルトの庭は単なるテーマパークではなく、地域の歴史や文化を体感できる貴重な場となっていました。多くの訪問者に愛され、短い期間ながらも重要な役割を果たしました。阿波大正浪漫 バルトの庭は、今では歴史の一部として記憶され続けています。

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