阿部企業硬式野球部

阿部企業硬式野球部について

阿部企業硬式野球部は、兵庫県神戸市を拠点に活動する社会人野球チームです。日本野球連盟に所属し、1970年11月に成立しました。創設以来、数々の試合で活躍し、特に1980年代には重要な大会での経験を積みました。

過去の活動と大会実績

1970年代後半には一時的に活動を休止していましたが、1982年に本格的に活動を再開し、4年後の1986年には第57回都市対抗野球大会に初出場しました。この大会での初出場の際には、台湾出身の選手である陽介仁や、補強選手として加わった岡本透投手の活躍により、チームは準々決勝に進出しました。しかし、横浜市の日本石油に敗れ、その夢は閉ざされました。

同年の第13回社会人野球日本選手権大会にも初めて出場し、三菱自動車水島、三菱自動車京都、川崎製鉄神戸に勝利し、決勝に進出しましたが、最終的にはNTT東海に敗れました。このように、設立から間もない時期においても非常に高いレベルの試合を経験していました。

その後、1990年にはプロ野球ドラフトでも注目され、柴田佳主也選手が近鉄バファローズから指名を受け入団しました。以降、選手の入れ替わりが続き、特に1996年には「デ・パルマの英雄」として知られるルルデス・グリエル選手が加入しましたが、1998年にはいすゞ自動車へ移籍しています。

チームの経営と変遷

阿部企業硬式野球部は1999年に一旦活動を休止し、その翌年には阿部企業アスピアクラブという新たな名称で再スタートを切ります。しかし、当時の経営者は関西野球専門学校（アスピア学園）も設立しましたが、こちらも後に閉校になります。この経営の変遷は、チームの活動に大きな影響を与えました。

特徴的な選手や逸話

監督や選手たちの努力も特筆すべき点です。馬淵史郎監督が就任していた際、チームには専用グラウンドがなく、選手たちは夜勤後に午前中に練習を行っていました。監督自身も深夜の工事現場で警備の業務を行いながら、選手たちの指導に情熱を傾けていたのです。

また、柴田佳主也選手が社業で警備員として働いていた際、工事現場でイノシシに襲われるという経験をするなど、驚くべきエピソードもあります。選手たちの野球に対する情熱や並々ならぬ努力は、チームの歴史にも色濃く刻まれています。

主な成績と選手

• - 都市対抗野球大会: 8強（1986年）
• - 社会人野球日本選手権大会: 準優勝（1986年）

主な在籍選手には、荒木慶大、岡本真也、柴田佳主也、面出哲志、陽介仁、藤本博史などがいます。外国人選手ではルルデス・グリエルが在籍したことが特に有名です。監督陣としては、岡嶋博治、田内逸明、馬淵史郎、比屋根吉信、香川智彦、畑俊二、吉本宗泰といった名を馳せた指導者が在籍しています。

阿部企業硬式野球部は、歴史の中で多様な選手、スタッフと共に成長し、挑戦を続けてきた素晴らしい社会人野球チームとして、今後もその影響を残していくことでしょう。

もう一度検索