阿部寿美子

阿部 寿美子について

阿部寿美子（あべ すみこ）は、1930年9月3日に東京府豊多摩郡代々幡町（現：東京都渋谷区）で生まれた日本の女優および声優です。彼女は、映画評論家の深沢哲也との結婚を果たしたことでも知られています。

来歴

阿部は俳優座養成所の第一期生として演技の基礎を学び、1952年には俳優座準劇団員として活動を開始しました。彼女の映画デビュー作は同年の『慟哭』であり、その才能は早くから注目を集めました。1954年には青年座に参加しますが、間もなく脱退し、新東宝と専属契約を結びます。この時期には多くの映画に出演し、女優としての地位を確立していきました。特に1956年には、数本の作品に出演するなど、活躍が目立ちました。

声優としての活躍

阿部は声優としても非常に成功したキャリアを持っています。特に、NHKの人形劇『新八犬伝』で演じた玉梓役は、彼女の代表作の一つとして位置づけられています。このキャラクターは「我こそは玉梓が怨霊」というセリフで始まる強烈な印象を残し、観客の心に深く刻まれました。阿部自身は、この役柄の演技が体力を消耗させ、体調が悪いときには貧血で医務室に行くこともあったと語っています。さらに、1977年から1992年までの間には、辻村ジュサブローの人形芝居にも語り手として参加し、毎年8月15日には横浜での「平和を語る会」を継続して上演しています。

人物の一面

旅が趣味という阿部寿美子は、自身の仕事とプライベートのバランスをうまく取りながら、演技に情熱を注いできました。その姿勢は、多くの視聴者やファンに愛される理由の一つかもしれません。

出演作品

阿部は多くの映画、テレビドラマ、舞台に出演しており、その活躍の幅は広いものがあります。具体的な映画作品としては、『ひまわり娘』（1953年）、『男一匹』（1955年）、『怪談累が渕』（1957年）などがあります。テレビドラマにおいては、『ダイヤル110番』（1957年）、『国盗り物語』（1973年）、さらには大河ドラマや刑事ドラマ、日常のコメディ作品に至るまで、多彩な役どころをこなしてきました。

特に目を引くのは、1970年代から1980年代にかけて放送された名作ドラマでの彼女の演技です。これらの作品の多くで、阿部はキャラクターに深みを与え、視聴者に強い印象を残しました。

声の出演と吹き替え

阿部は吹き替えの分野でも活躍しており、多くの洋画に声をあてています。たとえば、人気ドラマ『ER 緊急救命室』や『刑事コロンボ』などでキャラクターに命を与え、多くのファンに支持を受けました。

阿部寿美子の演技は、多様でありながら常に新鮮で、その才能は日本のエンターテインメントシーンにおいて今なお輝きを放っています。このようにして、彼女はこれまでのキャリアの中で多くの人々に感動を与え続けています。

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