阿部正篤

阿部正篤（あべ まさあつ）

阿部正篤は江戸時代後期の大名であり、陸奥国白河藩の第2代藩主を務めました。彼の生涯は、1831年に家督を譲るまでの短いもので、その背景には彼自身の健康問題が影を落としていました。

生い立ちと家族

享和元年（1801年）9月3日、阿部正篤は松平頼興とその妻の間に生まれました。松平頼興は紀州藩の藩主であり、徳川宗将の五男です。正篤の正室には島津斉宣の娘である聡姫が迎えられました。結婚を通じて、彼は薩摩藩とつながりを持つこととなりました。

藩主としての道

文政6年（1823年）、先代藩主で親代わりの養父である阿部正権が亡くなったことにより、正篤は藩主としての道を歩み始めます。同年11月には従五位下・飛騨守に叙任され、正式に藩主に即位しました。藩の統治にあたる正篤でしたが、彼は生まれつき病弱であったため、藩の政治を積極的に行うことが難しい状況にありました。

隠居と死去

健康を振るわないことから、正篤は天保2年（1831年）に養子の阿部正瞭に家督を譲り、隠居の道を選びました。正瞭は大河内松平信明の九男であり、この養子縁組は藩の継承において重要な意味を持ちました。正篤はその後、天保14年（1843年）3月17日に、43年の生涯を閉じることとなりました。享年は43歳で、実質的には41歳で亡くなったことになります。

系譜について

阿部正篤の系譜には、実父として松平頼興が存在し、養父には阿部正権がいます。 配偶者の聡姫は島津家の出身であり、この結婚は当時の藩政において重要な血縁関係を強化するものでした。また、養子の阿部正瞭は松平信明の子であり、彼の継承を通じて藩の安定を図ったのです。

まとめ

阿部正篤はその短い人生の中で、大名としての責任を果たすことに努めましたが、健康上の問題が彼の政務に影響を及ぼし、結果として若くして隠居する決断を余儀なくされました。彼の後を継いだ養子正瞭にとっても、この時期は藩の将来に向けた重要な選択の時期であったと言えるでしょう。

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