限定解除審査

日本の運転免許における限定解除審査

運転免許には、運転できる車の種類や条件を限定する「限定免許」があります。この限定免許の制限を取り除き、より多くの種類の車両を運転できる免許に切り替えるための審査が、限定解除審査です。本稿では、限定解除審査について、その手続き、費用、歴史的な背景などを詳しく解説します。

対象となる限定免許

限定解除審査の対象となる限定免許は多岐に渡ります。具体的には、以下の限定条件が挙げられます。

オートマチック車限定免許（四輪・二輪）
普通自動二輪車免許小型限定
大型特殊自動車免許（カタピラ車限定、農耕車限定）
大型自動車免許（自衛隊車両限定）
中型自動車免許（8t限定）
準中型自動車免許（5t限定）
* 牽引免許（小型限定、農耕車限定）

さらに、免許制度の変遷によって残されたマイクロバス限定免許やミニカー限定免許なども、限定解除審査の対象となります。

歴史的な背景：自動二輪車免許の限定解除

かつては、オートバイの免許は「自動二輪車免許」一種のみでした。このため、排気量によって「小型限定」「中型限定」といった免許区分が存在し、それぞれの限定解除審査がありました。特に、「中型限定」の解除審査は難易度が高く、合格することはライダーにとって大きな誇りであり、排気量400ccを超える大型自動二輪車の運転は憧れの的でした。当時、「限定解除」といえば、この自動二輪車中型限定免許の解除を指すのが一般的でした。

裸眼視力と限定解除

レーシック手術などで裸眼視力が向上した場合、運転免許の「眼鏡等」の条件が解除されることがあります。しかし、これは技能試験を伴わないため、一般的には限定解除審査には含まれません。眼鏡やコンタクトレンズが必要な状態での運転は免許条件違反となるため注意が必要です。

限定解除審査の手続き

限定解除審査の申請方法は2通りあります。

1. 運転免許試験場での審査: 試験場に出向き、申請手続きの後、技能試験を受けます。申請手数料と貸車料が必要です。
2. 指定[[自動車教習所]]での教習: 指定[[自動車教習所]]で限定解除に相当する教習を受け、技能審査に合格します。試験場での審査は免除され、合格証を試験場へ提出することで手続きが完了します。教習時間は4～6時間程度、費用は教習所の料金体系によりますが、限定なし免許教習と限定免許教習の料金差額程度が相場です。

どちらの方法でも、審査または技能審査に合格すると、免許証の裏面に限定解除の記載がされ、ICチップの情報も更新されます。運転免許証の交付手数料の追加費用はかかりません。免許証の更新、再交付などで新しい免許証が発行されると、限定なしの免許証と同じになります。

まとめ

限定解除審査は、運転免許の幅を広げるための重要な手続きです。試験場での直接審査と教習所での教習の2つの方法があり、自身の状況に合わせて選択できます。費用や所要時間なども考慮し、最適な方法を選択することが重要です。限定解除審査を受ける際には、事前に試験場や教習所に問い合わせて、詳細な情報を確認することをお勧めします。

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