陳伯友

陳伯友（ちん はくゆう、1565年 - 1628年）は、明代の官僚であり、字は仲恬、号は旭窓と称しました。彼は済寧州を本貫とし、弟に陳仲翕がいます。

官僚としての歩み

1601年（万暦29年）に進士に及第し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。最初は行人に任じられ、その後1611年（万暦39年）には刑科給事中に抜擢されました。この役職において、彼は河南巡撫の李思孝を弾劾し、罷免させるという剛腕ぶりを発揮しました。また、科挙試験場の不正を調査するよう求めた鄒之麟の訴えや、宦官である彭進朝が駙馬の冉興譲を辱めた事件に対しても、法に従い厳正な処置を求めました。

さらに、楚宗英嫶・蘊鈁や満朝薦・王邦才らの釈放を求めるなど、人道的な側面も見せましたが、これらの要求は万暦帝には受け入れられませんでした。1613年（万暦41年）には、熊廷弼が荊養喬に弾劾された際、李成名らと共に調査と審問を担当しました。彼は時政に関する四事を上奏しましたが、その上奏文は内官によって握りつぶされ、万暦帝に届くことはありませんでした。その後、服喪のため一時的に官を離れました。

喪が明けた後も、当時の朝廷内では東林党を排斥する動きが強かったため、彼は再び官職に就くことはありませんでした。

政争と復権

1618年（万暦46年）、彼は河南副使として再び官界に復帰します。1624年（天啓4年）には太常寺卿に転じ、太常寺少卿の事務を兼務しました。この時期、楊漣が魏忠賢の二十四大罪を弾劾すると、陳伯友もまた胡世賞らと共に魏忠賢を訴える上疏を行いました。しかし、1625年（天啓5年）12月、彼は東林党に与していると御史の張枢によって弾劾され、官爵を剥奪されてしまいました。

1628年（崇禎元年）、崇禎帝の命により元の官職に復帰することが決定しましたが、彼はその任につく前に死去しました。享年は64歳でした。

著作と子孫

彼は『尽心編』1巻、『証語』2巻、『海鴎居日識』2巻といった著作を残しています。また、子には陳扆箴と陳扆銘がいます。

参考文献

この記述は、『明史』巻242 列伝第130に基づいています。

陳伯友は、官僚として職務に忠実であり、不正を憎み、法を遵守する姿勢を貫いた人物でした。彼は、政治的な対立の中で不遇な時期を過ごしましたが、その功績は死後に認められ、名誉を回復しました。彼の生涯は、明代末期の政治情勢を映し出す鏡であり、官僚としての生き方について深く考えさせられるものです。

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