李成名

李成名（り せいめい）は、明代末期の官僚であり、字を寰知（かんち）、号を心白（しんはく）と称しました。生年は不明ですが、1630年に亡くなっています。彼の家系は太原前衛に属しており、祖父は南京戸部員外郎を務め、その清廉さで知られた李応時です。

1604年、李成名は進士に合格し、中書舎人に任命されました。その後、1612年には吏科給事中に抜擢され、官吏任用の不公平を指摘し、吏部尚書の趙煥を批判しました。1613年には、熊廷弼が荊養喬に弾劾された事件で、陳伯友らとともに調査と審問を担当し、群臣と共に満朝薦の釈放を求める上疏を行いました。また、吏部侍郎の方従哲を弾劾しましたが、万暦帝には受け入れられませんでした。東林党への攻撃が激化すると、李成名は病気を理由に帰郷しました。

5年間の隠遁生活の後、李成名は山東副使として官界に復帰しました。天啓帝の時代初期には、湖広参政に転じ、その後、中央に戻り太僕寺少卿となりました。1624年春には、右僉都御史に抜擢され、南贛巡撫を務めました。この時、李成名は趙南星の推薦で登用されたことから、宦官の魏忠賢に憎まれ、天啓帝の名を犯したという理由で弾劾され、官位を剥奪されました。巡撫としての任期はわずか8ヶ月ほどでしたが、その清廉な政治姿勢から、地元の民衆は彼を祀る生祠を建てました。

1628年、崇禎帝の時代になると、李成名は北京に召還され、戸部右侍郎に任命され、翌年には戸部左侍郎となり、辺境の食糧輸送を担当しました。しかし、1630年には罷免され、そのまま自宅で亡くなりました。李成名は、その生涯を通して、不正を正し、正義を貫こうとした官僚でした。東林党との関わりや、魏忠賢との対立など、激動の時代の中で、彼は自らの信念を貫き通しました。その清廉な人柄から、地元の人々には深く慕われたと伝えられています。

李成名の事績は、『明史』巻242 列伝第130に詳しく記されています。

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