陳唐山

陳唐山（チェン・タンシャン）は、1935年9月16日生まれの台湾の政治家です。彼は国家安全会議秘書長、総統府秘書長、外交部長、台南県長など、数々の要職を歴任しました。

学歴とアメリカでの研究生活

陳唐山は、国立嘉義高級中学を卒業後、台湾大学で大気物理学の学士号を取得しました。その後、アメリカに渡り、オクラホマ大学で修士号、パデュー大学で博士号を取得しました。1973年から1992年までの19年間、アメリカ合衆国商務省に勤務し、人工衛星データ分析やアジア資源センター主任、アメリカ国際開発センター理事を務めました。

台湾独立運動への参加

アメリカ在住中、陳唐山は台湾独立運動に関わるようになり、1966年には全米台湾独立連盟の結成に携わりました。その後、世界台湾同郷会の会長も務め、台湾独立運動の重要な担い手となりました。これらの活動が原因で、当時の国民党政府によってブラックリストに掲載され、帰国を制限される状況が続きました。

台湾での政治活動

1987年、陳唐山は一時帰国を許され、1990年には国是会議に参加する機会を得ました。また、「海外台湾人返郷運動」を主導し、台湾独立建国連盟メンバーの帰国を支援しました。1992年には民主進歩党に入党し、同年の立法委員選挙で当選を果たし、台湾政界での活動を開始しました。

汚職疑惑と裁判

2007年、陳唐山は首長特別費を不正に使用したとして横領罪などで起訴されました。さらに、2020年には立法委員時代に会社法改正を利用して賄賂を受け取った疑いで捜査を受けました。これらの事件は、彼の政治家としてのキャリアに大きな影を落としました。

物議を醸した発言

外交部長時代には、シンガポールの外相が国連総会で「一つの中国」を支持する発言をした際、シンガポールを「鼻くこのような大きさの国」と表現し、台湾語のスラングを用いて中国に媚びへつらっていると批判しました。この発言は大きな政治問題となり、陳唐山は後に謝罪しました。

その他の活動と親族

陳唐山は、南台科技大学特別招聘名誉教授や長栄大学兼任教授も務めました。また、彼の義兄（姉の夫）は、日本の参議院議員である蓮舫のいとこおじにあたり、蓮舫は陳唐山を「おじさん」と呼んでいます。

陳唐山は、アメリカでの研究者としてのキャリアと、台湾独立運動での活動、そして台湾政界での重要な役割を通じて、台湾の歴史に大きな足跡を残しました。彼の政治活動は、多くの議論を呼びましたが、その影響力は決して小さくありません。

もう一度検索