国家安全会議

台湾の国家安全会議：安全保障政策の中枢

台湾の中華民国において、国家安全会議（National Security Council, NSC）は、安全保障政策を決定する上で極めて重要な役割を担う機関です。総統府に直属し、その議長は総統自身を務めるため、国家における最高レベルの意思決定機関と言えるでしょう。

歴史と組織

NSCは、1967年に「動員戡乱時期国家安全会議」として発足しました。これは1966年の動員戡乱時期臨時条款の改正に端を発するもので、その後、1992年の憲法改正に伴い、現在の形に改組されました。

会議メンバーは、総統、副総統、行政院長、副院長、内政部長、外交部長、国防部長、財政部長、経済部長、大陸委員会主任委員、参謀総長、国家安全会議秘書長、国家安全局長といった、政府の中枢を担う要人から構成されています。この多様なメンバー構成から、NSCが台湾の安全保障政策を多角的に検討していることがわかります。

NSCの下部機関として、国家安全局（National Security Bureau, NSB）が存在します。NSBは情報収集、政策立案、そして国防部軍事情報局、憲兵隊、海巡署、内政部警政署、法務部調査局といった関連機関との連携を通して、台湾の安全保障に貢献しています。

秘書長の重要性

国家安全会議秘書長は、総統府秘書長と並んで、総統の側近中の側近として極めて重要な役割を担います。秘書長は、会議の運営を円滑に進め、政策決定のプロセスをサポートするだけでなく、総統への直接的な助言を行うなど、台湾の安全保障政策に大きな影響力を持っています。

歴代の秘書長には、軍関係者、政治家、官僚など、様々な経歴を持つ人物が就任しており、それぞれの経験や専門性を活かし、台湾の安全保障に貢献してきました。

歴代秘書長一覧

以下に、歴代国家安全会議秘書長の一覧を示します。

黄少谷 (1967年2月1日－1979年6月20日)
沈昌煥 (1979年6月20日－1984年5月28日)
汪道淵 (1984年5月28日－1986年6月18日)
蔣緯国 (1986年6月 - 1993年2月)
施啓揚 (1993年3月2日－1994年9月1日)
丁懋時 (1994年9月 - 1999年12月)
殷宗文 (1999年12月 - 2000年5月)
荘銘耀 (2000年5月 - 2001年8月)
丁渝洲 (2001年8月 - 2002年3月)
邱義仁 (2002年3月 - 2003年2月, 2004年5月 - 2007年2月)
康寧祥 (2003年2月 - 2004年5月)
陳唐山 (2007年2月 - 2008年3月)
陳忠信 (2008年3月 - 2008年5月) 代理
蘇起 (2008年5月 - 2010年2月)
胡為真 (2010年2月23日 - 2012年9月25日)
袁健生 (2012年9月26日－2014年3月24日)
金溥聡 (2014年3月25日－2015年2月12日)
高華柱 (2015年2月12日－2016年5月20日)
呉釗燮 (2016年5月20日－2017年5月21日)
厳徳発 (2017年5月22日－2018年2月26日)
李大維 (2018年2月26日－2020年5月20日)
顧立雄 (2020年5月20日－現任)

結論

国家安全会議は、台湾の安全保障政策を決定する上で中心的な役割を担う機関です。その組織、歴史、歴代秘書長などを理解することで、台湾の安全保障政策に対する理解を深めることができます。 今後も、台湾を取り巻く国際情勢の変化に合わせて、その役割はますます重要性を増していくでしょう。

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