陳子昂

陳子昂（ちん すごう）

陳子昂（661年 - 702年）は、唐代初期に活躍した詩人です。字は伯玉といい、現在の四川省遂寧市射洪市にあたる梓州射洪県の出身です。

生涯

若い頃は学問をせず、無頼な生活を送っていましたが、一念発起して金華山に籠り学問に励み、進士となりました。高宗の崩御後、陵墓問題について上書したことがきっかけで、武則天に才能を認められ麟台正字に任じられます。その後、右拾遺に任じられた陳子昂は、武則天の政治体制を批判する上書を行い、投獄されるも、その真摯さが評価され復職しました。

696年、契丹討伐軍に参謀として参加しますが、武将との意見の相違から降格処分を受けました。その後、故郷に戻り父親の世話をしますが、父親の死後、体調を崩し、県令による誣告で投獄され、獄中で亡くなりました。

詩風と作品

陳子昂の詩風は、六朝時代の華美な詩から脱却し、漢代の建安文学のような力強さを理想としました。彼の詩は、盛唐の詩に大きな影響を与えたと言われています。

代表作として、「感遇」三十八首や「薊丘覧古」、「登幽州台歌」などがあります。「感遇」は、神仙的な世界と現実社会の対比を描き、社会批判を盛り込んだ五言古詩の連作です。「薊丘覧古」や「登幽州台歌」は、契丹討伐に従軍した際の作で、人間の孤独を表現した雑言古詩です。

詩の他に上奏文を収めた『陳伯玉集』があります。

評価

陳子昂は、唐詩における革新者として高く評価されています。彼の詩は、その後の詩人たちに大きな影響を与え、盛唐の詩の発展に貢献しました。また、彼の社会批判精神は、後世の知識人たちにも共感を与え続けています。

参考文献

『旧唐書』巻一九〇
『新唐書』巻一〇七
『唐才子伝』巻一
盧蔵用『陳氏別伝』

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