陳玘

陳玘（チェン・チー）

陳玘（チェン・チー、Chen Qi、1984年4月15日 - ）は、中国出身の元卓球選手です。左利きであり、ダブルスのスペシャリストとして、数々の国際大会で素晴らしい成績を収めました。特に、2004年アテネオリンピックでの男子ダブルス金メダル獲得は、彼のキャリアにおけるハイライトの一つです。

経歴

12歳で省のチームに入り、2002年に中国ナショナルチームに選出されました。2004年のアテネオリンピックでは、馬琳とのペアで男子ダブルスに出場し、見事金メダルを獲得しました。シングルスでも、常に世界ランキング10位以内を維持するなど、高い実力を持っていました。

しかし、2006年のアジアカップで王皓に敗れた際、ラケットを投げつけたり、ベンチの椅子を蹴り上げるなどの行為が問題視され、中国卓球協会から半年間の国際大会出場停止処分を受けました。さらに、農村での労働や再教育も命じられました。この処分後、彼は再び馬琳とペアを組み、2007年の世界選手権で男子ダブルス優勝を果たし、見事に復活を遂げました。

2014年に中国国家チームを正式に引退しました。

プレースタイル

陳玘は、非常にアグレッシブなプレースタイルで知られています。特に、キレのある両ハンドドライブは彼の大きな武器でした。調子が良い時には、この両ハンドドライブが猛威を振るい、相手を圧倒しますが、調子が悪い時には、逆にプレーが雑になり、自滅してしまうこともありました。

サーブにおいては、手首を鋭く使い、スイングスピードを上げることで、ボールに強烈な回転を加えていました。また、ダブルスにおいては、その卓越した技術と戦術眼から「ダブルスの達人」とも呼ばれ、数々の国際大会で好成績を残しました。ペアを組む際には、本来先輩である王励勤や馬琳に対しても、積極的に指示を出すなど、リーダーシップを発揮することも多くありました。

主な戦績

2003年 ITTFプロツアーグランドファイナル 広州 男子ダブルス優勝（馬琳と）
2004年 アテネオリンピック 男子ダブルス金メダル（馬琳と）
2004年 ITTFプロツアーグランドファイナル 北京 男子ダブルス優勝（馬琳と）
2005年 第48回世界選手権上海大会 男子シングルス ベスト8
2005年 第48回世界選手権上海大会 男子ダブルス3位（馬琳と）
2005年 アジア選手権済州島大会 男子ダブルス準優勝（王励勤と）
2006年 第48回世界選手権ブレーメン大会 男子団体優勝
2007年 第49回世界選手権ザグレブ大会 男子シングルス ベスト16
2007年 第49回世界選手権ザグレブ大会 男子ダブルス優勝（馬琳と）
2007年 ITTFプロツアーグランドファイナル 北京 男子ダブルス優勝（王励勤と）
2008年 第49回世界選手権広州大会 男子団体優勝
2009年 第50回世界選手権横浜大会 男子シングルス ベスト8
2009年 第50回世界選手権横浜大会 男子ダブルス優勝（王皓と）
2009年 男子ワールドカップ 準優勝
2011年 第51回世界選手権ロッテルダム大会 男子シングルス ベスト8
2011年 第51回世界選手権ロッテルダム大会 男子ダブルス準優勝（馬琳と）


陳玘は、そのアグレッシブなプレースタイルと、ダブルスにおける卓越した技術で、多くのファンを魅了しました。引退後も、彼の功績は卓球界に深く刻まれています。

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