馬琳

馬琳（マ・リン）

馬琳（Ma Lin、1980年2月19日生まれ）は、中国遼寧省瀋陽市出身の元卓球選手であり、数々の輝かしい実績を残しました。特に、2004年アテネオリンピック男子ダブルス、2008年北京オリンピック男子シングルス・男子団体の金メダル獲得は、彼のキャリアにおけるハイライトです。男子卓球史上、オリンピックの3種目を制覇した唯一の選手として、その名は卓球史に刻まれています。

経歴

6歳で卓球を始めた馬琳は、1990年に遼寧省のチームへ、1994年には中国代表チームへと順調にステップアップを果たしました。引退後は指導者として、2017年4月から女子中国代表一軍のコーチを務め、2024年からは女子代表監督としてチームを牽引しています。

プレースタイル

馬琳は、ペンホルダーグリップの選手として知られています。バックハンド技術はショートやプッシュに加え、裏面打法も駆使し、年齢を重ねるごとにその多彩さを増していきました。フットワークを活かしたフォアハンド主戦と、カウンターを重視した両ハンド主戦という2つの戦術を使い分ける柔軟性も持ち合わせていました。

彼の特筆すべき点は、サービスと台上技術の高さです。特にサービスは、インパクトの速さと強烈な回転により「マジカルサービス」と称されるほどでした。しかし、精神的な脆さも指摘されており、試合の流れが悪くなると態度に出てしまうこともありました。

主な戦績

1998年 アジア選手権大阪大会 男子ダブルス優勝
1999年 世界選手権アイントホーフェン大会 男子シングルス準優勝、混合ダブルス優勝
2000年 男子ワールドカップ 優勝
2001年 世界選手権大阪大会 男子団体優勝
2002年 ITTFプロツアー・グランドファイナル 男子シングルス優勝
2003年 男子ワールドカップ 優勝
2004年 アテネオリンピック 男子ダブルス金メダル、世界選手権ドーハ大会 男子団体優勝、男子ワールドカップ 優勝
2006年 世界選手権ブレーメン大会 男子団体優勝、男子ワールドカップ 優勝
2007年 世界選手権ザグレブ大会 男子ダブルス優勝
2008年 北京オリンピック 男子シングルス金メダル、男子団体金メダル、世界選手権広州大会 男子団体優勝

その他

馬琳は、1997年から2013年までの全ての世界選手権に出場し、中国代表としての最多連続出場記録（15回）を保持しています。

2008年の北京オリンピックで悲願のシングルス金メダルを獲得し、ダブルスの名手としても知られ、世界選手権やオリンピックで数多くのメダルを獲得しました。オリンピック男子において、シングルス、ダブルス、団体の全てで優勝した唯一の選手です。

2014年に中国国家チームを正式に引退しましたが、彼の卓球界への貢献は計り知れません。指導者としての今後の活躍も期待されています。

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