陸上自衛隊研究本部

陸上自衛隊研究本部について

陸上自衛隊研究本部（JGSDF Ground Research and Development Command: GRD）は、防衛大臣直轄の機関として、朝霞駐屯地に所在していました。この機関は、自衛隊法第24条第2項に基づき設置され、陸上自衛隊における研究活動の中核を担っていました。しかし、陸上自衛隊教育訓練研究本部の新編に伴い、2018年3月26日をもって廃止されました。

概要と任務

2001年3月、科学技術の急速な進歩に対応するため、陸上戦闘の様相が高度化・複雑化していく中で、各職種学校の研究部門を集約し、研究本部が発足しました。その主な任務は、陸上自衛隊の防衛計画、部隊運用、装備、教育訓練、運用解析などに関する調査研究を行うことでした。また、イラク人道復興支援部隊派遣の際に得られた情報分析も重要な役割の一つでした。

沿革

• - 2001年3月27日: 幹部学校研究部を母体とし、各職種学校の運用研究部門などを統合して「研究本部」が新編されました。

• - 2001年3月27日: 富士学校装備開発実験隊を母体とし、各職種学校の装備研究部門を統合した「陸上自衛隊開発実験団」が隷下に編合されました。

• - 2008年3月26日: 通信団隷下の中央システム管理隊が「システム開発隊」に再編され、隷下に編合されました。

• - 2018年3月26日: 陸上自衛隊研究本部は廃止されました。

廃止時の編成

研究本部は、以下の組織で構成されていました。

• - 企画室: 企画室長は幹事が兼務していました。研究開発企画官（1佐（一））が企画室の事務を担当し、企画調整官（1佐（二））が研究開発企画官を補佐していました。

• - 総務部: 部長は事務官が務め、総務課（課長：1佐（三））と管理課がありました。

• - 総合研究部: 部長は陸将補が務め、各課長は1佐（二）が担当しました。特殊武器研究官及び主任研究開発官・研究員は1佐（二）～（三）が務めました。

- 第1研究課: 防衛計画、部内事務に関する調査研究を担当。
- 第2研究課: 部隊編成及び部隊運用に関する調査研究を担当。
- 特殊武器研究官: 核、生物、化学兵器への対処に関する調査研究を担当。
- 第3研究課: 装備品に期待する性能等の調査研究を担当。
- 第4研究課: 部隊の教育訓練に関する調査研究を担当。
- 第5研究課: 運用解析に関する調査研究を担当。
- 総括主任研究官: 運用解析に関する調査研究及び研究に従事する研究員の指導を担当。
- 分析企画官: 運用解析に関する事務のうち特定の重要な事項を担当。
- 主任研究開発官: 調査研究及び研究員の指導を担当。
- 研究員: 調査研究を担当。

• - 教訓センター(CGLL): 海外派遣や演習、米軍からもたらされる教訓の収集・分析及び教訓データベースの運用を担当。

• - 陸上自衛隊開発実験団: 富士駐屯地に所在し、装備研究などを担当。

• - システム開発隊: 市ヶ谷駐屯地に所在。

教育訓練研究本部への改編

陸上自衛隊研究本部と陸上自衛隊幹部学校は、平成29年度末をもって廃止され、目黒駐屯地において陸上自衛隊教育訓練研究本部として統合再編成されました。教育訓練研究本部は、研究本部と幹部学校の任務に加え、陸上自衛隊の各職種学校の運営を統制する役割も担うことになりました。ただし、これは業務系統上の統制であり、指揮系統上の統制ではありません。システム開発隊は、研究本部隷下から新編のシステム通信団直轄に編成替えされました。

陸上自衛隊研究本部は、その短い期間ではありましたが、陸上自衛隊の発展に大きく貢献した機関でした。

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