陸軍工兵学校

陸軍工兵学校：松戸の地で培われた軍事技術

1919年（大正8年）、千葉県松戸市に陸軍工兵学校が開校しました。旧陸軍の重要な教育機関として、日本の軍事技術発展に貢献した学校です。1945年（昭和20年）の陸軍解体により閉校するまで、多くの工兵を育成しました。

開校から閉校まで

学校は、かつて松戸競馬場があった場所に設立されました。開校は1919年12月1日、事務開始は同月13日でした。その後、26年間にわたり、数々の優秀な工兵を輩出しました。閉校は、1945年8月30日、陸軍の解体とともに幕を閉じました。

歴代校長

陸軍工兵学校には、多くの著名な軍人が校長を務めました。その中には、古賀啓太郎大佐、若山善太郎少将、岩越恒一少将、上村友兄少将、佐村益雄少将、牛島実常中将、浅川一衛少将、林柳三郎少将、木村経広少将、吉岡善四郎少将、河田末三郎少将、岡田元治少将といった錚々たる顔ぶれが名を連ねています。これらの校長たちは、学校の運営や教育方針において重要な役割を果たしました。それぞれの在任期間は、資料によって多少の差異が見られる場合がありますが、概ね上記の期間となります。

所在地とアクセス

陸軍工兵学校は、千葉県松戸市岩瀬487に位置していました。交通アクセスは良好で、JR常磐線松戸駅から徒歩10分、新京成線松戸駅から徒歩10分と、公共交通機関でのアクセスが容易でした。イトーヨーカドー松戸店からも至近距離にあり、周辺環境も整備されていました。

戦後の変遷：新たな姿へ

陸軍解体後、1945年10月には東京工業専門学校が学校跡地に移転しました。その後、学制改革を経て千葉大学工芸学部、さらに工学部となりました。しかし、1964年には千葉市に移転し、松戸の敷地は新たな用途へと姿を変えました。

敷地の一部は東京聖徳学園が取得し、1965年には聖徳学園短期大学が開校しました。また、他の学校や裁判所なども移転してきました。残された敷地は松戸中央公園となり、現在も正門と哨戒舎が公園内に残されており、当時の面影を伝えています。これらの遺構は、地域の貴重な歴史遺産として大切に保存されています。

まとめ：歴史を刻んだ学校

陸軍工兵学校は、日本の近代軍事史において重要な役割を果たした教育機関でした。その歴史は、松戸市の発展と深く関わり、現在も松戸中央公園などを通してその痕跡を留めています。多くの工兵を育成し、日本の軍事技術の進歩に貢献した陸軍工兵学校の歴史は、今後も語り継がれていくべきでしょう。この学校の歴史を知ることは、松戸市の歴史、ひいては日本の近代史を理解する上で重要な要素となります。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年

関連項目

松戸市
千葉県の軍事史跡一覧
松戸市立第一中学校

外部リンク

相模台と陸軍工兵学校（松戸行脚）
陸軍工兵学校繪はかき（表の家）
千葉県の戦争遺跡/陸軍工兵学校と松戸

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