陸軍通信学校

陸軍通信学校

陸軍通信学校は、1925年（大正14年）5月1日に東京府豊多摩郡杉並町（現在の東京都杉並区）に設立された、大日本帝国陸軍の教育機関です。当初は東京にありましたが、1938年から1939年にかけて、神奈川県高座郡大野村（現在の相模原市南区）に移転しました。

概要

移転の背景には、陸軍士官学校の広大な練兵場があったことが挙げられます。この練兵場を利用するため、学校は同じ高座郡の大野村に移転しました。この移転に合わせて、1938年4月1日には小田原急行鉄道（現在の小田急小田原線）に通信学校駅（1941年に相模大野駅に改称）が開業し、交通の便も向上しました。

所在地は大野村でしたが、陸軍は当時この地域を原町田地域（現在の東京都町田市）の一部として扱うことが多く、同じ大野村にあった原町田陸軍病院や原町田兵器学校（陸軍兵器学校）などと共に、原町田通信学校と呼ばれることもありました。

移転後の学校では、軍鳩の育成、訓練、補充を行う鳩部も設けられました。軍鳩は、戦場での通信手段として重要な役割を担っていました。

1945年（昭和20年）の敗戦に伴い、陸軍通信学校は廃校となりました。戦後、跡地は分割され、その一部は帝国女子専門学校（現在の相模女子大学）が東京都小石川区（現在の文京区）から移転してきました。また、神奈川県に移管された部分には、相模台工業高校（現在の神奈川総合産業高校）や大野南中学校、谷口台小学校などが建設されました。

所在地

神奈川県高座郡大野村上鶴間、鵜野森（1941年より高座郡相模原町、現在の神奈川県相模原市南区文京一丁目・二丁目）

歴代校長

佐藤信 少将：1925年5月1日 -
境孫四郎 少将：1926年12月20日 -
岩越恒一 少将：1928年8月10日 -
梅戸綽 少将：1929年8月1日 - 1932年8月8日
山田乙三 少将：1932年8月8日 -
星川久七 少将：1933年8月1日 -
中島完一 少将：1935年3月15日 -
百武晴吉 少将：1937年8月2日 -
川並密 少将：1939年3月9日 -
酒井直次 少将：1940年12月2日 - 1941年8月20日
中村誠一 少将：1941年8月25日 -
石川浩三郎 少将：1944年3月1日 -
志甫勤一郎 少将：1944年11月22日 -

参考文献

アゴラさがみはら1999「季刊 アゴラ さがみはら市民のひろば第10号」
相模原市 1971『相模原市史』 第四巻
相模女子大学八十年史編集委員会 1980『相模女子大学八十年史』

関連項目

大日本帝国陸軍
神奈川県の軍事遺跡一覧

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