陽蹻脈

陽蹻脈（ようきょうみゃく）は、人体を巡る主要な経絡の一つであり、特に運動機能や感覚、そして全身のバランス調整において重要な役割を果たしています。

経路

陽蹻脈は足の太陽膀胱経の別脈として、足部の外踝（くるぶし）付近から起こります。具体的には、以下の経路を辿ります。

1. 足部: 足の外踝の下にある申脈（しんみゃく）穴から起こり、外踝の後ろにある僕参（ぼくしん）穴を通り、さらに上行して外踝の上3寸にある跗陽（ふよう）穴に至ります。
2. 下肢: 跗陽穴から、大腿部の外側を通って上行します。
3. 体側部: 股関節の外側を通り、体側部（脇の下から肋骨の終わるあたり）の後ろを上行します。上腕の内側を通り、臑兪（じゅゆ）穴で手の太陽小腸経、陽維脈と合流します。
4. 肩部: 肩の外側を上行し、巨骨（ここつ）穴で手の陽明大腸経と、肩髃（けんぐう）穴で手の陽明大腸経、手の少陽三焦経と合流します。
5. 顔面部: 首の人迎（じんげい）を上り、口角を挟んで地倉（ちそう）穴で手足の陽明胃経、任脈と合流します。足の陽明胃経を上り、巨髎（こりょう）穴に至ります。さらに承泣（しょうきゅう）穴で任脈と合流し、目の内眥（目頭）に至り、手足の太陽膀胱経、足の陽明胃経、陰蹻脈の五つの経脈と睛明（せいめい）穴で合流します。
6. 頭部: 睛明穴から上行して髪の生え際に入り、耳の後ろを下って、風池（ふうち）穴に至って終わります。

主要な経穴:

申脈 → 僕参 → 跗陽 → 居髎 → 臑兪 → 巨骨 → 肩髃 → 地倉 → 巨髎 → 承泣 → 睛明 → 風池

宗穴と郄穴

宗穴（しゅうけつ）：申脈
郄穴（げきけつ）：跗陽

機能と重要性

陽蹻脈は、体の外側を巡ることから、主に運動機能や感覚に関与すると考えられています。特に、姿勢の維持やバランス感覚、下肢の運動能力に影響を与えます。また、全身の陽気を調整し、体全体のバランスを保つ役割も担っています。

陽蹻脈の異常は、足腰の痛み、麻痺、感覚異常、不眠、精神的な不安定など、様々な症状を引き起こす可能性があります。そのため、鍼灸治療や整体などの施術においては、陽蹻脈の状態を把握し、適切な治療を行うことが重要です。

参考文献

(参考文献の情報は原文に記載されていなかったため、省略します。)

関連項目

経絡
奇経八脈
陰蹻脈

外部リンク

* (外部リンクの情報は原文に記載されていなかったため、省略します。)

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