手の陽明大腸経

手の陽明大腸経（LI）

手の陽明大腸経は、経絡の一つで、手の指先から始まり顔面へと流れる陽経です。大腸経に属し、国際表記では「LI」と表されます。五行思想では、肺と大腸はともに「金」に属し、密接な関係を持つとされています。

流注

手の陽明大腸経は、示指（人差し指）の末端（商陽穴）から始まり、以下のような経路を辿ります。

1. 示指橈側（親指側）の爪の付け根を通り、
2. 第一中手骨と第二中手骨の間（合谷穴）を通り、
3. 前腕後外側を上り、肘の皺の外端（曲池穴）に入ります。
4. 上腕外側を上行し、肩峰突起の外端（肩髃穴）を経て、
5. 巨骨穴を過ぎ、大椎穴（督脈）で他の経絡と交わります。
6. 大椎穴から鎖骨上窩（缺盆穴）を経て肺を巡り、
7. 横隔膜を貫通し大腸に繋がります。

また、鎖骨上窩（缺盆穴）から分かれた枝は、

1. 頸部を上り、頬を貫いて下歯に入り、
2. 再び出て口を挟み、鼻の下の人中で左右の経が交わり、
3. 鼻孔を挟んで鼻翼両側（迎香穴）に終わります。

最後に足の陽明胃経へと繋がります。

手の陽明大腸経に所属する経穴

手の陽明大腸経には、以下の経穴が含まれます。寸、分などの尺は骨度法（こつどほう）、同身寸法を参照してください。

LI1. 商陽（しょうよう）
LI2. 二間（じかん）
LI3. 三間（さんかん）
LI4. 合谷（ごうこく）
LI5. 陽谿（ようけい）
LI6. 偏歴（へんれき）
LI7. 温溜（おんる）
LI8. 下廉（げれん）
LI9. 上廉（じょうれん）
LI10. 手三里（てさんり）
LI11. 曲池（きょくち）
LI12. 肘髎（ちゅうりょう）
LI13. 手五里（てごり）
LI14. 臂臑（ひじゅ）
LI15. 肩髃（けんぐう）
LI16. 巨骨（ここつ）
LI17. 天鼎（てんてい）
LI18. 扶突（ふとつ）
LI19. 禾髎（かりょう）
LI20. 迎香（げいこう）

各経穴の詳細

各経穴の位置、特徴、神経、血管について以下にまとめました。





大腸経は、大腸の不調だけでなく、顔面部の症状にも関わることがあります。日々の健康管理に役立ててみてください。

関連項目

経絡
前肢陽明大腸経

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