隅田 (砲艦)

隅田（すみだ）— 日本海軍の砲艦

隅田は、日本海軍で初となる本格的な河用砲艦の一つで、「伏見」とともにその名を冠する艦名がついています。艦名は、東京を流れる「隅田川」に由来しています。この艦は、主に中国長江流域での日本の権益を守る目的で建造されましたが、特筆すべき点は、この艦が日本海軍籍にありながら、一度も本土に寄港したことがないという非常に珍しい艦でもあるという点です。

建造と装備

隅田の建造は、1903年（明治36年）1月29日にイギリスのソーニクロフト社で始まり、1904年に日露戦争が勃発するまでは順調に進んでいました。しかし、開戦直前に工事が中止され、一時的に繋留状態となりました。その後、1906年に試運転を行い、竣工を迎えます。艦の装備については、1920年（大正9年）には1号6cm砲2門、陸式機砲1挺、そして麻式6.5mm砲4挺を搭載し、1931年には装備が改められ、砲艦に類別されました。

戦歴と活動

第一次世界大戦において、隅田は中国が中立を保っていたために一時的に抑留されていましたが、後に中国が連合国側に加わると通常の任務に復帰しました。1931年には、第一次上海事変に参加し、上海周辺及び長江流域の警備活動に従事しました。この時期は日本海軍にとって重要な任務を担う期間となります。

除籍と解体

隅田は1935年に除籍され、最終的に売却後、上海で解体される運命を辿ることになります。その艦歴は、時代の流れと共に変化した海軍の姿を反映し、日本海軍の発展と中国との関わりを象徴する存在となりました。

艦長

隅田の艦長には、堀田英夫を始めとして、多くの艦長が就任しました。艦長の中には、初期の時代にこの艦を指揮した人物が多く、その履歴は日本海軍史に深く刻まれています。特に、堀田大尉は初代艦長として艦の運営に携わりました。

まとめ

隅田は、ただの砲艦ではなく、海軍の歴史を語る上でも特異な存在であることから、その存在意義は計り知れません。日本海軍における河用艦艇の発展を象徴する事例として、また重要な歴史的背景を持つ艦として記憶されるべきでしょう。

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