隆武帝

隆武帝（りゅうぶてい）は、南[[明]]の第2代皇帝であり、諱を聿鍵（いつけん）、廟号を紹宗（しょうそう）と言います。日本では、在位中の元号である隆武を取って、隆武帝と呼ばれるのが一般的です。彼は明の初代皇帝である洪武帝、朱元璋の第23子の唐定王朱桱の八世の孫にあたります。

生涯

隆武帝の父である朱器墭は、唐端王朱碩熿の嫡出長男でした。1594年、朱器墭は世子に指名されました。しかし、朱碩熿は寵愛する側室の子、朱器塽を世子にしようと考え、長男を虐待しました。1602年、朱器墭の妻、毛氏は、宦官の家で朱聿鍵を産みました。朱碩熿は孫を愛しませんでしたが、朱碩熿の母である太妃魏氏は曾孫を可愛がり、世話をしました。その後、朱器墭は唇部の腫瘍を理由に監禁され、1629年に朱器塽に毒殺されました。この事件は混乱を招き、朱碩熿も恐れて、気が進まないまま孫の朱聿鍵を家督相続人にしました。1630年、朱碩熿も亡くなりました。

唐王家内での長い争いの末、1632年に朱聿鍵は祖父の爵位を相続し、唐王となりました。1634年には、父の仇として叔父の朱器塽を自らの手で殺害しました。1636年の冬、北方情勢が不安定になった際、朱聿鍵は武装した家臣を率いて北京へ向かい、崇禎帝を支援しようとしましたが、猜疑心の強い崇禎帝は、これを権力奪取の企てと疑いました。翌年、朱聿鍵は「無断用兵罪」と「弑叔罪」で庶民に落とされ、皇族の監獄である鳳陽高墻に収監されました。獄中では度重なる体罰を受け、危篤状態に陥りました。妻の曾氏と数人の役人が崇禎帝に上書しましたが、崇禎帝の在世中は効果がありませんでした。

1644年、崇禎帝が自殺し、弘光帝が南京で即位すると、朱聿鍵は恩赦を受けて広西平楽に移されることになりました。移送中に弘光帝が清軍に捕らえられたという知らせを受け、福州で鄭芝龍や黄道周らに推挙されて帝位に就き、隆武の元号を立てました。同族である桂林の靖江王朱亨嘉が「監国」を名乗ると、両広総督の丁魁楚に命じてこれを討伐し、福州に連行して王位を剥奪し、最終的に獄死させました。

鄭芝龍の子である鄭成功が隆武帝に初めて謁見した際、隆武帝はその容貌と聡明さを気に入り、「朕に娘がいないのが残念である」と言いました。公主の代わりに国姓の朱姓を授けようとしましたが、鄭成功は固辞しました。このことから鄭成功は「国姓爺」の異名で呼ばれるようになりました。

1646年、清軍が福州を攻撃すると、隆武帝は汀州へ逃れましたが、清の李成棟の軍に捕らえられました。連行中、皇后曾氏と10人ほどの宦官が入水自殺しました。その後、清軍の警備が強化され、逃走の機会がなくなったため、隆武帝は翌月に絶食により崩御しました。享年45歳でした。

宗室

妻妾

孝毅襄皇后曾氏 - 1646年に自殺。
12人の妃嬪。
某氏、某氏 − 汀州で自殺。
沈氏、毛氏 − 汀州で隆武帝と共に捕虜となる。
某氏 − 汀州で隆武帝を守って清軍と格闘し、戦死。
劉氏 − 汀州へ逃難時、既に妊娠していたが、その後の詳しい記録はない。

子女

荘敬太子 朱琳源（1646年生没） - 母は孝毅襄皇后曾氏。兎唇を持つ。1646年7月13日に生まれ、同年8月、混乱の中で死去。

系図

（系図は省略）

伝記資料

『明史』
『南[[明]]史』
『隆武紀年』

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