隼人司

隼人司（はやとのつかさ）について

隼人司は、古代日本の律令制において、衛門府、後に兵部省に属した役所です。「はやひとのつかさ」などと訓読みされます。

職掌

隼人司は、主に以下の業務を担っていました。

隼人の管理: 朝廷に朝貢したり、移住してきたりした隼人を管理しました。具体的には、彼らの生活や居住状況を把握し、朝廷の指示を伝達しました。
歌舞の教習: 隼人に、朝廷の儀式や行事で披露する歌舞を教習しました。これは、隼人の文化を朝廷に取り入れ、儀式を豊かにする目的がありました。
竹製品の製作: 隼人の得意とする竹細工の技術を活かし、竹笠などの竹製品を製作しました。これらの製品は、朝廷で使用されたり、隼人に支給されたりしました。

当初は九州地方の隼人に関する業務も担当していましたが、後に畿内やその周辺地域に移住した隼人のみに限定されるようになりました。移住した隼人は、大嘗祭などの重要な儀式や行事にも参加し、その存在は朝廷にとって重要なものとなりました。

大同3年（808年）に一旦廃止されましたが、その後、兵部省の管轄下に入り再編されました。これは、もともと隼人が朝廷の軍事に従事していた伝統が影響していると考えられています。

職員構成

隼人司には、以下の職員が配置されていました。

正（正六位下）: 一名。隼人司の長官です。
佑（正八位上）: 一名。正を補佐する役職です。
令史（大初位下）: 一名。事務を担当する役職です。
使部: 十名。雑務を担当する役職です。
直丁: 一名。雑務を担当する役職です。
隼人: 隼人司に所属し、様々な業務に従事しました。

関連事項

日本の官制: 律令制における官制全体について理解を深めることができます。
隼人: 隼人司が管理していた隼人について、その歴史や文化について知ることができます。
成瀬氏: 隼人の子孫とされる氏族の一つです。


以上が、隼人司についての詳細な説明となります。この役所は、古代日本の社会や文化を理解する上で重要な役割を果たしていました。

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