雄琴神社 (大津市)

雄琴神社の概要

雄琴神社（おごとじんじゃ）は、滋賀県大津市の雄琴に位置する神社で、古くから地域の信仰の中心として崇敬されています。旧社格は郷社で、その神紋は「抱茗荷」とされています。神社の主祭神は大炊神 今雄宿禰命で、彼は古代日本の歴史に名を刻んだ人物です。

祭神について

主祭神の今雄宿禰命は、他にも「阿保今雄」や「小槻今雄」として文献に登場します。彼は垂仁天皇の子である於知別命の血を引く子孫であり、仁寿元年（851年）に雄琴荘を拝領し、その後すぐに亡くなりました。今雄の死後、彼を祭る神霊は「雄琴社大炊神」と称され、小槻氏の祖となりました。配祀されている神も数多く、樟本神社には崇道尽敬天皇、二峯神社には大己貴命が奉られています。

神社の歴史

雄琴神社は、大同3年（808年）に雄琴山の上に鎮座されたと伝えられています。この時期には今雄宿禰はまだ祀られておらず、この神社は土地の神を祀る場所だったと考えられています。その後、仁寿元年に今雄が土地を得ると、当地は小槻氏に引き継がれ、社名の「雄琴」は今雄の邸から鳴る琴の音に由来するとも言われています。

延長4年（926年）には、今雄の子である小槻当平が社殿を建設し、彼の神霊を祭りました。さらに小槻氏はこの神社を氏神として崇め、周辺に位置する那波加神社とともに信仰の対象としました。特に、同地に存在した法光寺の鎮守社としての役割も果たしましたが、元亀年間の兵火によって社殿などは焼失しました。再建は延宝2年（1674年）に行われました。

1908年（明治41年）には近代社格制度によって郷社に列格しました。

境内の構造

境内は、本殿をはじめとして複数の重要な構造を有しています。本殿は一間社流造りで、間口一間、奥行は一間三尺です。拝殿は入母屋造りで、間口が二間、奥行も二間となっています。その他に中門や神饌所、神輿庫なども備えています。摂末社には樟本神社や二峰神社があり、さらにいくつかの神社が存在します。例えば、牛尾神社や地主神社、霊光社には特定の祭神が祀られており、日清戦争や日露戦争で亡くなった戦士たちもここで祀られています。

現地情報

雄琴神社の所在地は滋賀県大津市雄琴二丁目10-1です。交通アクセスは、JR西日本湖西線のおごと温泉駅から徒歩約10分、あるいはびわ湖浜大津駅からのバスも利用可能です。周辺には、元神宮寺である福領寺があり、その本尊は重要文化財に指定されています。

参考文献

この神社に関する詳細な情報は、田中延佳、田村三郎、吉田柳二の研究「算博士小槻今雄について」にも記されています。

関連項目

また、雄琴神社の分霊を合祀した栃木県壬生町の同名の神社も存在し、地域における信仰の広がりを示しています。

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