雅語

雅語（がご）は、洗練された上品な言葉、または正しいとされる優雅な言葉を意味します。雅言（がげん、みやびごと）、みやび言葉とも呼ばれます。

雅語の定義と範囲

主に平安時代を中心とする古典に見られる「正しいことば」や「伝統的でみやびやかなことば」を指しますが、新しく作られた言葉であっても、正しく上品であれば雅語とされます。また、古言（こげん、ふること、ふるごと）、すなわち上代の言葉も雅語に含まれます。

対義語

雅語の対義語としては、卑語（ひご）、訛語（かご）、俚言（りげん）などの俗語や、俚び言葉（さとびことば）が挙げられます。これらの言葉は、日常的で親しみやすい反面、雅語が持つような上品さや格式高さは持ちません。

雅語の分類と特徴

江戸時代の国学者は、言葉を雅語、平言（つねこと）、俗語の3つに分類しました。これは、言葉の使用場面や社会的地位によって使い分けられていたことを示唆しています。

一般的には、和歌や和文に用いられる和語系統の言葉が雅語とされますが、漢語系統の言葉を含むこともあります。特に、和歌に用いられる雅語は「歌語（かご）」と呼ばれ、他の雅語と区別されることがあります。歌語は、和歌独特の表現や技巧を支える重要な要素です。

アイヌ語における雅語

興味深いことに、アイヌ語にも雅語の概念が存在します。アイヌ語では、ユーカラ（叙事詩）の言葉を雅語とし、日常的な口語と区別しています。これは、どの文化においても、特別な場面や儀式で用いられる言葉は、日常会話とは異なる特別な形式を持つことを示しています。

雅語の現代における意義

現代においては、雅語は日常会話で使われることは少なくなりましたが、文学作品や伝統芸能、格式の高い文書など、特定の場面でその美しさや格式が尊重されています。雅語を理解することは、日本の古典文化への理解を深める上で不可欠であり、日本語の豊かな表現力を知る上でも重要な意味を持ちます。

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