集札

集札：旅客から乗車券などを回収する業務

集札とは、鉄道やバス、路面電車などの交通機関において、駅員や乗務員が乗客から運賃や使用済みの乗車券などを回収する業務のことです。単なる乗車券の回収だけでなく、定期券や一日[[乗車券]]の有効性確認、運賃不足の精算といった重要な役割も担っています。

集札業務の詳細

集札では、乗客から乗車券や運賃、整理券などを回収します。定期券や一日[[乗車券]]を利用した乗客については、降車時に有効期限や利用範囲を確認します。また、乗車券の有効区間を超えて乗車した乗客に対しては、不足分の運賃を精算します。

多くの事業者では、特にワンマン運転を行う路線において、集札を効率化するために運賃箱を導入しています。一方、均一運賃を採用している路線では、乗車時に運賃を支払うシステムが一般的であるため、集札は省略されることが多いです。

鉄道の場合、集札は駅の改札口で行われるのが一般的です。自動改札機が設置されている駅では、自動改札機による集札が行われます。無人駅など、自動改札機がない駅では、車掌が列車内で行うか、駅に設置された集札箱に投入する方法がとられます。特急列車では、車内で特急券を集札することもあります。ワンマン運転の路線では、運転士が車内で行う場合が多いですが、駅での集札や集札箱への投入を行う路線もあります。

バスや路面電車では、ほとんどがワンマン運転であるため、集札は運転士が行うことが多いです。ただし、車掌やバスターミナルの係員が担当する場合や、路面電車の連接車では運転士と車掌が共同で集札を行う場合もあります。

集札された乗車券のその後

集札された乗車券の処理方法は、事業者によって異なります。

再生利用

JR各社などでは、乗車券に無効印を押印し、本社で利用状況や不正利用の有無などをチェックします。磁気券は磁気部分が剥がされ、業務用トイレットペーパーなどに再生されます。プラスチック製のカード券は、駅のベンチなどに再生されたり、製鉄所での還元剤として利用されたりする例があります。JR東日本、JR西日本、名古屋鉄道、東急電鉄などがこの方法を採用しています。

廃棄

規模の小さな私鉄などでは、不正利用防止のため、チェック後、シュレッダーで裁断し、産業廃棄物として廃棄する場合があります。広島高速交通などがこの方法を採用している例として挙げられます。

運賃箱の場合

運賃箱による運賃収受方式では、紙幣による支払いは少ないため、車両基地などに設置された機械で、乗車券と現金を分別します。分別後の乗車券は、再生利用または廃棄のいずれかの方法で処理されます。

関連法規と不正利用防止

鉄道営業法第18条2項では、有効な乗車券を所持しない場合、割増賃金を支払うべきことが明記されています。使用済みの乗車券は、原則として鉄道事業者に引き渡す必要があります。

不正利用防止のため、特に自動改札機を利用していない乗車券には、無効印とともに穴が開けられることがあります。これは、無効印だけでは磁気情報が残るため、不正利用を防止する対策です。近年では、自動改札機を利用できないきっぷにも穴が開けられるケースがあります。駅によって対応は様々です。

まとめ

集札は、一見単純な業務に見えますが、運賃収受、不正利用防止、そして環境問題への配慮など、様々な側面が関わっています。事業者によって異なる処理方法も、それぞれの事情を反映していると言えるでしょう。

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