集群

集群とは

集群（しゅうぐん、英: aggregate）は、動物の分類における特定の用語であり、種または亜種の集合を指します。国際動物命名規約第4版においては、亜属以外の種の集合や、亜属内の種の集合、または亜種の集合を表すために使用されます。これにより、動物の分類がより明確になり、科学的な命名が促進されます。

集群の区別

集群は主に2つのカテゴリに分けられます。1つは、種集群（しゅしゅうぐん、aggregate of species）であり、これは亜属を超えない種の集合体を指します。もう1つは、亜種集群（あしゅしゅうぐん、aggregate of subspecies）であり、こちらは種を超えない亜種の集合を指します。命名においては、これらの集群がどのように形成され、どのように学名が付けられるのかが重要です。

学名の形成

動物の学名は、二語名法に基づいています。これにより、属名と種小名が組み合わされて特定の種が形成されます。また、亜種名は種名に亜種小名を追加することで表現されます。集群に関しては、亜属名とともに挿入名として扱われ、通常の二語名や三語名の語数には数えられません。

国際動物命名規約

集群に与えられる学名に関する規定は国際動物命名規約第4版の条6.2に明記されており、その内容は日本語版でも正確に翻訳されています。挿入名を用いた学名の示し方や、略記の方法についても詳しく案内されています。

学名の略記

学名を初めて記載する際は、全ての要素を書き出す必要があります。ただし、属名や亜種名においては、曖昧でない方法でその頭文字を用いることで略記することが可能です。しかし、集群名は略すことができず、常にそのフルネームを記載する必要があります。

集群の階級の説明

集群には自由な階級付けが許可されています。例えば、著者は「上種（superspecies）」や「超種」のような非公式の階級を用いることができます。こうした階級を示したい場合は、初めて利用する際に丸括弧内に記載し、その後は省略することが可能です。また、亜種集群においては「exerge」と呼ばれる階級に分類されることがあります。

実例紹介

実際の例として、鱗翅目に分類されるトリバネアゲハ属の学名が挙げられます。此の属内のO. priamusは、地理的に近い姉妹種を含む集群内で最も古くに命名された種です。この種の集群に学名を与える際、「Ornithoptera (superspecies priamus)」という表現が使われます。

亜種集群の例としては、Mellicta athaliaという種内に亜種として登場した集群が存在します。これらは「M. athalia (exerge athalia)」などの形式で表記され、亜種間の関係性を示しています。

先取権の原理

集群名に関しても先取権が適用されます。これは、含まれる種名の優先権に従うことを意味し、より古い命名年の種が新たに加わる場合、その集群名が変更される可能性があることを示しています。さらに、最初から挿入名として公表された種階級群名は適格として認められません。これは国際動物命名規約第11.9.3.5に明記されています。

参考文献

このテーマに関しては、さまざまな資料が存在します。国際動物命名規約の英語及び日本語版、関連する書籍や論文を通じて、集群とその命名についての理解を深めることが可能です。

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