集落活動センター

高知県の集落活性化を支える集落活動センター

高知県では、地域住民自らが主体となり、地域課題の解決や活性化に取り組む「集落活動センター」が注目されています。2012年度から開始されたこの取り組みは、過疎化や高齢化が進む中山間地域において、住民の生活向上や地域社会の維持に大きく貢献しています。

集落活動センターは、旧小学校や集会所などを拠点とし、地域住民だけでなく、外部の人材も積極的に受け入れています。生活、福祉、産業、防災など、地域社会のあらゆる課題に対応できる総合的な活動拠点として機能しています。内閣府が推進する「小さな拠点」の代表例にも挙げられており、その取り組みは全国的な注目を集めています。

住民の「愛着」と「誇り」を育む活動

集落活動センターの活動の根底にあるのは、「この地域でこれからも暮らしていきたい」という住民の強い思いです。高齢化や人口減少といった課題に直面する中山間地域において、住民の生活の質を向上させ、「愛着」と「誇り」を持って暮らせる環境を作ることを目指しています。そのため、単なる施設運営にとどまらず、住民参加型のイベントや活動を通して、地域住民同士の繋がりを強化し、地域社会の活力を高めることに力を入れています。

多様な活動と地域活性化

集落活動センターでは、多様な活動が展開されています。住民向けの福祉活動や生活支援はもちろんのこと、地域資源を活用した観光事業も積極的に展開。具体的な活動例としては、以下のものが挙げられます。

観光事業: 地域の特産品を使った飲食店や宿泊施設の運営、体験型観光プログラムの企画・運営など。これらの取り組みは、高知県が発行する観光情報誌『土佐巡里』などを通じて広く紹介されています。例えば、「農家食堂café イチョウノキ」や「奈半利のおかって」といった飲食店、「汗見川ふれあいの郷」や「いしはらの里」といった宿泊施設が、集落活動センターの取り組みとして成功を収めています。
特産品開発・販売: 地域の農産物などを活用した特産品の開発・販売も盛んであり、「きらずもち」や「銀杏饅頭」といった商品が人気を集めています。
健康増進活動: 健康寿命延伸に向けたウォーキングイベントや健康サロンの運営なども行われています。「東川健康ウォーク」や「稲生ふれあいサロン」などがその例です。
地域イベントの企画・運営: 地域の魅力を発信するイベントも積極的に開催されています。「こしあぶらと山菜まつり」や「福寿草まつり」などがその一例です。
* 地域情報発信: 地域情報誌の発行などを通じた情報発信にも取り組んでおり、「いなぶっく」のように、大学との連携による情報誌発行の事例も見られます。

広がるネットワークと未来への展望

2022年6月時点では、高知県内に65ヶ所の集落活動センターが活動しています。これらのセンターは、それぞれの地域の特性を生かした活動を行いながら、相互に連携し、地域全体の活性化に貢献しています。集落活動センターは、単なる施設ではなく、地域住民の繋がりを深め、地域社会の持続可能性を支える重要な拠点となっています。今後も、中山間地域における課題解決と活性化に貢献していくことが期待されています。

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