雉子橋

雉子橋について

雉子橋（きじばし）は、東京都千代田区に位置する日本橋川に架かる橋です。この橋は、雉子橋通りの一部を形成しており、九段南一丁目と一ツ橋一丁目の間、そして一ツ橋二丁目を結んでいます。

地理的な特徴

雉子橋は、日本橋川の上流、皇居の内堀に最も近い場所に位置しています。橋の上は首都高速道路の竹橋ジャンクションに覆われているという特徴的な景観を持っています。

橋の北側には共立女子学園があり、そこから道路を直進すると神田神保町へと繋がります。南側へ進むと、皇居内堀の清水濠に出ることができます。

橋の東側は一ツ橋一丁目で、住友商事竹橋ビルやパレスサイドビルなどのオフィスビルが立ち並び、地下鉄竹橋駅もあります。一方、西側は九段南一丁目で、九段合同庁舎が3棟あり、東京法務局や千代田区役所などが所在しています。

歴史

橋の名前の由来は、江戸時代の文献『見聞集』に記述があります。それによると、元和年間にこの地に移住した人々が神田雉子町と名付けたことが始まりです。

江戸城本丸に近いため、1629年（寛永6年）には江戸城の修築に伴い、松平直良の指揮によって雉子橋門が設置され、厳重な警備が行われるようになりました。

江戸時代から明治初期にかけて、橋の周辺には厩舎が設けられていました。野馬方役所があり、1792年（寛政4年）には嶺岡牧産の牛乳を使った白牛酪（バター）の製造が開始されました。また、1793年（寛政5年）には、帰国したばかりの大黒屋光太夫と磯吉が一時的にこの厩舎に留め置かれたという記録もあります。

1873年（明治6年）には、櫓門が撤去されました。その後、1876年（明治9年）から1884年（明治17年）にかけて、橋の近くから清水門前にかけて大隈重信の邸宅がありました。

1903年（明治36年）には鉄橋に架け替えられましたが、1923年（大正12年）の関東大震災で被害を受けました。その後、1925年（大正14年）11月3日に、現在の鋼アーチ橋が約100メートル下流に架け直されました。

1967年（昭和42年）には首都高速5号池袋線が開通し、橋は竹橋ジャンクションに覆われることになりました。

雉子橋は、2007年（平成19年）3月28日に千代田区景観まちづくり重要物件に指定されています。

周辺の橋

日本橋川において、雉子橋の隣には以下の橋があります。

上流側: 宝田橋
下流側: 一ツ橋

関連情報

関東大震災復興工事関係写真 17.雉子橋工事 - 土木学会付属土木図書館

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