雑賀“ヤン坊”達也

日本の男性総合格闘家。1990年 9月18日生まれ、神奈川県出身。DOBUITA FIGHT SPORTS GYMに所属し、現在はPANCRASEのライト級キング・オブ・パンクラシストとして君臨しています。

プロ格闘家への道のり

幼少期には6歳から12歳まで空手を習得していました。高校時代には、テレビを通して魔裟斗や山本“KID”徳郁といったトップファイターたちの活躍に憧れを抱きましたが、卒業後は一度一般企業に就職します。しかし、日々の生活に物足りなさを感じ、25歳を迎えた頃に本格的に格闘技の世界へ足を踏み入れることを決意。DOBUITA FIGHT SPORTS GYMの門を叩き、プロ総合格闘家を目指すこととなりました。

キャリアの始まりと Fighting NEXUS

2017年8月20日、Fighting NEXUS vol.10でプロデビュー戦を迎え、佃貴也と対戦。このデビュー戦を1ラウンドでのパンチによるTKO勝利で飾ります。その後約1年半にわたりFighting NEXUSを主戦場とし、4勝1敗の好成績を記録。この期間の勝利はすべて1ラウンドKO勝ちであり、自身の打撃スキルの高さを早期から証明しました。

PANCRASE、そしてRIZINへ

2020年9月27日、国内老舗プロモーションであるPANCRASEへ参戦。PANCRASE 318でのライト級暫定キング・オブ・パンクラス王座決定戦で林源平と激突し、再び1ラウンド、右アッパーによる鮮やかなKO勝利を収め、暫定王座を獲得しました。

暫定王者として迎えた2021年12月12日のPANCRASE 325では、正規王者であった久米鷹介との王座統一戦が実現。試合序盤にカウンターの右アッパーでダウンを奪うなど王座統一へ近づきますが、2ラウンドに腕ひしぎ十字固めによる逆転の一本負けを喫し、惜しくも正規王座獲得はなりませんでした。

2022年には活動の場を広げ、4月16日にはRIZIN TRIGGER 3rdでRIZIN初参戦。後のDEEPライト級王者となる江藤公洋と対戦しましたが、タックルからのテイクダウンを許し、パウンドによる2ラウンドTKO負けを喫しました。

RIZINでの敗戦を経てPANCRASEに戻り、2022年12月25日のPANCRASE 330でシュウジ・ヤマウチと対戦。1ラウンド終盤に右ストレートでダウンを奪い、追撃のパウンドでTKO勝利を収め、再び勝利街道に戻ります。しかし、2023年4月29日のRIZIN LANDMARK 5では、欠場選手の代役として急遽出場したアリ・アブドゥルカリコフに1ラウンドKO負けを喫するなど、強豪相手には厳しい結果も経験しました。

正規王座獲得と防衛、そして次なる目標

2023年12月24日のPANCRASE 340では、ライト級の次期挑戦者決定戦で粕谷優介と対戦。この試合はキャリア初の判定までもつれ込みましたが、3ラウンドを通して打撃と組技で圧倒し、見事判定勝利を収めて再びタイトルマッチへの挑戦権を獲得しました。

そして、2024年3月31日のPANCRASE 341で、ライト級キング・オブ・パンクラシストであるアキラとのタイトルマッチに臨みます。試合は序盤、放ったハイキックがクリーンヒットし、1ラウンドKO勝利。自身初の正規王座となるライト級キング・オブ・パンクラシストのベルトを巻きました。

王座獲得後の初防衛戦は、因縁の相手である元王者の久米鷹介との再戦となりました。2024年7月21日のPANCRASE 347で行われたこの試合では、2ラウンドに左フックでダウンを奪い、パウンドで追撃してKO勝利。見事リベンジを果たすと共に、初防衛に成功しました。

2度目の防衛戦は2025年4月27日のPANCRASE 353で天弥を相手に行われました。3ラウンドに組み付いた状態からの膝蹴りを顔面に当ててダウンを奪い、パウンドによるTKO勝利で王座を防衛。試合後のマイクパフォーマンスでは、家族への感謝を述べると共に、「RIZINで僕を見たくないですか？オファー待ってます」と、再び日本の主要舞台への参戦を熱烈にアピールしました。

選手としての特徴と素顔

フィリピン人の母親を持つハーフファイターです。リングネームである「ヤン坊」は、元々携帯アプリゲームで使用していたニックネームが由来となっています。普段はアメリカ海軍基地内で船を修理する仕事に就いており、プロ格闘家としての練習と並行して日々鍛錬を続けています。

彼の最大の魅力は、その極めて高いKO率にあります。勝利した試合のほとんどを打撃によるノックアウトで飾り、敗れた試合もKO決着が多いという、非常にスリリングでアグレッシブなファイトスタイルを貫いています。常に観客を沸かせる、派手な展開を求めるストライカーです。

プライベートでは既婚者であり、二人の子供を持つ父親でもあります。

主な獲得タイトル

暫定ライト級キング・オブ・パンクラス王座（2020年）
第9代ライト級キング・オブ・パンクラス王座（2024年）

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