離島振興法

離島振興法について

離島振興法（りとうしんこうほう）は、1953年に制定された日本の法律で、離島の振興を目的としています。この法律は、国土保全や生活環境の整備が他の地域に比べて遅れている離島に特別な措置を講じることを目指しています。離島振興法は離島の地理的、自然的特性を活かし、独自の振興を図るための基盤を提供しています。

対象となる離島

この法律の適用を受ける離島には、258の有人離島が含まれています。これらの島々は、国土交通大臣をはじめとする主務大臣によって指定され、各都道府県が策定した離島振興計画に基づいて支援されます。離島振興法による支援は、公共事業の予算として国土交通省を通じて計上されていますが、北海道内の6島（利尻島、礼文島、天売島、焼尻島、奥尻島、厚岸町の小島）は別の管轄として取り扱われています。

離島振興法に基づき、本土との交通が確保された場合、原則的に指定が解除されます。実際には、広島県の豊島や愛媛県の岡村島が架橋によって指定が解除されています。しかし、瀬戸大橋の架かるいくつかの島は、まだ指定が解除されていない状況です。

また、離島振興法に指定されていない有人離島も存在し、その場合には他の法律や特別措置に基づいて振興が図られます。

離島振興計画

離島振興計画は、離島振興法の定めにより、指定された離島において、各都道府県が策定する基本方針に基づいて設けられます。この計画には、交通や通信の整備、医療や福祉の充実、教育・文化の振興、観光開発などの施策が含まれます。特に、高齢者の福祉や地域の防災施策に関しても重要視されています。

離島振興法は進化し、これまでに何度も改正・延長されてきました。最近の改正では、離島振興計画が努力義務に変更されたり、主務大臣が追加されたりしています。地方自治体においては市町村合併が進むなか、離島振興計画の内容も見直しが必要です。

離島振興法の歴史的背景

この法律の起源は、戦後の日本が復興に向けた動きを見せ始めた昭和20年代後半まで遡ります。1952年には離島航路整備法が制定され、国が離島航路の維持に助成を行うようになりました。翌年には長崎県の提案をきっかけに、さらに多くの都道府県によって離島振興法の成立が求められるようになりました。その結果、1953年7月22日に離島振興法が公布されたのです。

その他の法律との関連

離島振興法以外にも、関連する法律がいくつか存在します。例えば、東京都の伊豆諸島を含む地域や、鹿児島県の奄美群島、及び沖縄県全域は、特別措置法の対象となっていて、離島振興法の適用外です。また、有人国境離島に関する特別措置も設けられ、地域の保全や社会の維持が求められています。

このように、離島振興法は日本の離島が抱える特有の課題に対処するため、さまざまな施策を通じた取り組みを進めるための重要な法的枠組みとなっています。

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