天売島

天売島の魅力

天売島（てうりとう）は、北海道北西部の日本海に浮かぶ、風光明媚な離島です。留萌振興局管内の苫前郡羽幌町に位置し、羽幌港から約30kmの距離にあります。この島と東にある焼尻島は、羽幌町の一部として親しまれています。天売島は、その面積が5.47km²、周囲約12km、現在の人口は273人（令和3年9月時点）です。島の名前はアイヌ語の「テウレ」（魚の背腸）または「チュウレ」（足）が由来とされています。

自然の宝庫

この島は「海鳥の楽園」とも呼ばれ、ウミガラス（オロロン鳥）が日本国内で唯一繁殖する場所として知られています。特に、島の北西海岸は断崖が続き、多様な海鳥たちが繁殖しており、ウトウ、ケイマフリ、ウミウ、オオセグロカモメ、ウミスズメなども見かけることができます。1938年には「天売島海鳥繁殖地」として国の天然記念物に指定され、1982年には特別保護区域として認定されています。特にウミガラスは、この場所でのみ繁殖するため、その生息環境が非常に重要だとされています。

環境保護と地域活動

天売島では、野生動物保護を目的に取り組まれており、例えば、野良猫の管理のために『天売島ネコ飼養条例』が施行されています。この取り組みにより、猫の数は2014年にはほぼゼロになり、海鳥たちが安全に繁殖できる環境が整えられました。特にウミネコの個体数は2015年に約1000羽に減少したものの、2019年には5000羽へと回復しました。更に、海鳥の保護活動として、官民による協議会が海鳥の混獲を防ぐための漁法を促進し、環境保護に尽力しています。

文化と歴史

天売島には、羽幌町立の北海道天売高等学校があり、全国から生徒を受け入れる試みも行っています。また、島独自の文化も形成されており、1961年に放映されたテレビドラマ『オロロンの島』や、アドルフ・ムシュクの小説『兎の夏』など、様々な作品に取り上げられています。音楽でも、全日本吹奏楽コンクールの課題曲として『天国の島』が発表され、天売島に根付いた文化が広がっています。

アクセスと交通

天売島へのアクセスは、羽幌港からのフェリーや高速船が主な手段です。フェリーで約1時間35分、高速船で約1時間ほどで到着します。また、島内は北海道道548号が通り、特に天売港を起点にした道路が主要な交通路となっています。宿泊施設では、港までの送迎サービスが人気の一つです。

観光名所

天売島の観光スポットとしては、海鳥観察ができる天売島海鳥情報センターや、赤岩などの自然景観が挙げられます。千鳥ヶ浦では、春から夏にかけて多くの海鳥が飛来し、観察舎からはその様子を一望できます。また、天売ガヤ天丼は、地元の特産品を使用した美味しいご当地グルメとして楽しむことができます。

天売島は、自然の美しさと文化の深さが交わる素晴らしい場所です。訪れる際には、島の恵みを感じ、地域の努力をサポートすることを忘れないでください。

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