雨の赤坂

雨の赤坂

「雨の赤坂」は、日本のグループサウンズを代表するバンド、ジャッキー吉川とブルー・コメッツが1968年12月25日にリリースしたシングル楽曲です。彼らにとって、通算11枚目のシングル盤にあたります。

楽曲情報と背景

この楽曲は、作詞を橋本淳、作曲をグループのギタリストである三原綱木、そして編曲を筒美京平が手掛けました。筒美京平は、前作「さよならのあとで」に続いて編曲のみを担当しており、これは1967年にヒットした「草原の輝き」以来、2作連続での編曲担当となりました。

「雨の赤坂」は、前作「さよならのあとで」で方向転換を図った歌謡曲寄りの路線を継承する形で制作された作品です。しかし、商業的な成績においては、前作ほどの大きなヒットとはなりませんでした。オリコンチャートでの最高順位は20位にとどまり、これは当時のジャッキー吉川とブルー・コメッツがグループサウンズブームの終息期において、人気の変遷期を迎えていた状況を反映する結果となりました。この頃から、彼らのグループとしての人気は徐々に下降線をたどり始めたと言われています。

シングルのB面には、「黒いレースの女」（くろいレースのひと）が収録されています。こちらの楽曲も、「雨の赤坂」と同様に作詞は橋本淳、編曲は筒美京平が担当しました。

ジャッキー吉川とブルー・コメッツによるオリジナル版のシングル収録曲および制作陣は以下の通りです。

雨の赤坂
作詞：橋本淳
作曲：三原綱木
編曲：筒美京平
黒いレースの女
作詞：橋本淳
作曲：三原綱木
編曲：筒美京平

カバーバージョン

「雨の赤坂」は発表から長い年月の間に、複数のアーティストによってカバーされています。特に広く知られているカバーとしては、1970年代前半に活躍した人気女性デュオ、ザ・ピーナッツによるものと、演歌歌手の角川博が1989年に行ったものがあります。

ザ・ピーナッツ版

ザ・ピーナッツによるカバーバージョンは、彼女たちの楽曲を収録したアルバムなどに収められています。例えば、1999年5月28日にリリースされた企画アルバム「ザ・ピーナッツ カヴァーヒッツ わたしの城下町」にもこの楽曲が収録されています。

角川博版

演歌歌手である角川博は、ジャッキー吉川とブルー・コメッツのオリジナルリリースから約20年後の1989年にこの曲をカバーし、自身のシングルとして発売しました。演歌というジャンルで活躍する角川博が歌うことで、原曲とはまた違った趣の楽曲となっています。この角川博版の編曲は竜崎孝路が手掛けました。

角川博版のシングルに収録された楽曲の制作陣は以下の通りです。（両曲とも編曲：竜崎孝路）

雨の赤坂
作詞：橋本淳
作曲：三原綱木
編曲：竜崎孝路

その他のバージョン

作曲者である三原綱木自身も、2012年12月には自身のソロ名義で「雨の赤坂」を改めてシングルとしてリリースしています。これは、オリジナル版の発表から40年以上を経てからのセルフカバー音源となります。

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