雨森文也

雨森文也（あまもり ふみや）

プロフィール

雨森文也は、1959年12月16日生まれ、岐阜県出身の合唱指揮者です。日本合唱指揮者協会の会員であり、現在、11団体の常任指揮者・音楽監督を務めています。

指揮者としてのキャリア

雨森は、国内外のコンクールで高い評価を受けており、その指導力は広く認められています。コンクールの審査員や各種講習会の講師としても積極的に活動し、後進の育成にも力を注いでいます。岐阜県立大垣東高等学校を経て名古屋大学経済学部を卒業。卒業論文では「ウラディミール・ホロヴィッツのピアノ演奏について」を研究しました。銀行員として12年間勤務した後、1997年に合唱指揮者として独立。指揮法を黒岩英臣氏、ピアノを立川のぶみ氏に師事しました。独立後も拠点を岐阜県に置き、地域に根ざした活動を続けています。

合唱団との関わり

1982年、大垣東高合唱部の卒業生を中心に合唱団MIWO（みお）を結成。同団を指揮し、1992年の全日本[[合唱コンクール]]全国大会一般部門で金賞およびコンクール大賞を受賞。その後5年連続で金賞を受賞し、うち3回は文部大臣奨励賞を受賞するという偉業を達成しました。1998年、東京でCANTUS ANIMAE（カントゥス・アニメ）の結成に参画。同団を指揮し、1999年の全日本[[合唱コンクール]]全国大会一般部門で金賞を受賞。その後、2018年までに計14回の金賞を受賞、うち5回は文部科学大臣奨励賞を受賞しました。2002年には世界合唱オリンピックに出場し、宗教音楽部門と混声室内合唱部門の両方で金賞、さらにオリンピックチャンピオンにも輝きました。

音楽への情熱

雨森の音楽への情熱は、選曲に対する姿勢に表れています。「自分が心底惚れた曲だけを演奏する」というポリシーを貫き、その魅力を最大限に引き出すことを目指しています。音楽学者の皆川達夫氏の「ポリフォニーは楷書である」という言葉に共鳴し、ルネサンス期の作品を積極的に取り上げています。その結果、モンテベルディなどの作品を通じて、雨森は合唱界で頭角を現すきっかけとなりました。CANTUS ANIMAEでも、団員からの提案で、結成初年度の演奏会ではプログラムを全てルネサンス・ポリフォニーで構成しました。雨森は、「指揮者が心からその曲に惚れていれば、その想いは歌い手にも共感として伝わり、感動的な演奏につながる」と語ります。

「おかあさんコーラス」への見解

1998年、合唱団まりもあを指揮し、全日本[[合唱コンクール]]全国大会で金賞を受賞。この時、全日本[[合唱連盟]]に「おかあさん」として登録している合唱団が全国大会で金賞を受賞したのは史上初の快挙であり、2018年時点でも唯一の事例です。しかし、雨森自身は「おかあさんコーラス」という言葉に批判的な立場を取っています。三善晃氏が唱えた「おかあさんコーラスという言葉に音楽的な意味はない」という言葉に共鳴しており、「すべての女性が、分け隔てなく女声合唱という音楽に集ってこそ音楽的に意味のある営みがなされる」という考えを持っています。なお、合唱団まりもあはその後解散し、年齢や方向性によって三つの女声合唱団に再編成されています。

参考文献

「クローズアップ 合唱団MIWO」- 社団法人全日本[[合唱連盟]]機関誌「ハーモニー」No.77、1991年7月10日発行。
「変革の時代21世紀への架け橋」- 社団法人全日本[[合唱連盟]]機関誌「ハーモニー」No.96、1996年4月10日発行。
「次代を担う指揮者たちが語る こうありたい、これからの合唱界」- 社団法人全日本[[合唱連盟]]機関誌「ハーモニー」No.101、1997年7月10日発行。
「私のプログラムビルディング5 『自分が心底惚れた曲を』」- 社団法人全日本[[合唱連盟]]機関誌「ハーモニー」No.108、1999年4月10日発行。
「合唱 日本列島27 東京都」- 社団法人全日本[[合唱連盟]]機関誌「ハーモニー」No.139、2007年1月10日発行。
「おかあさんコーラス~もっと面白く」-『季刊合唱表現』13号（東京電化、2005年）

外部リンク

* PROFILE - CANTUS ANIMAE

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